透析施設開設までの道程⑩透析装置の構成

2013年4月11日木曜日

お仕事

施設規模(装置台数)が決まっているとして
次は透析装置のシステム構成を検討

多人数用システムにするのか、個人用のみでいくのか
初期投資は当然、多人数用の方が高額となる
しかし、ランニングコストは多人数用の方が有利となる

特に透析液...粉末型を使用出来る多人数用システムは無駄が少ない
個人用は1Bottle使いきり
(清浄化の観点から、余った液の使い廻しはご法度なので...)

液と粉末の購入費用を薬価ベースで比較したら、
なんと!倍以上違うんだよね...
使用量では、前述したように粉末型の方が少ないので
コスト差は更に大きくなる
透析液の使用量の多いon-line HDFを行うとすると、
さらに費用は嵩んでくるはず?

下表は多人数用と個人用
また各々、HD、Bottle-HDF、on-line HDFでの
材料費と薬剤費の比較(価格は参考まで:汗)
この資料を作成していて意外だったのが
HDとon-line HDFで思ったほどの差が出なかったこと

しかも、その差は収益(診療報酬)の差で
ほぼ帳消しできることがわかった

患者単価(収益)
来年度行われる次期診療報酬改定では
HDよりon-line HDFが手厚くされるかも...なんて噂も耳にするので
今後のon-line HDFに期待大ですな(笑)

その他、多人数用と個人用では
若干、光熱水費に差が生じるのと
システム構成が違うため、装置の保守費用に大きな差が出る
保守契約(7年)費用
さて、それではどちらのシステムにするのが適当なのか?
ベッド数によって異なる...と、しか言えません
10床以下の小規模施設に多人数用システムを入れた場合、
初期投資が大きくのしかかり、後に回収するのが難しくなるため
個人用で揃えた方が適当かも...

逆に規模の大きい施設に個人用を入れてしまうと
薬剤費のみならず、手間もかかるので
人員(人件費)増も考慮し無くてはならない

参考までに12床という規模の施設で
収支のシュミレーションをしてみた
12床、患者数36名(最大)
ちなみに給与(人件)費は最低人数
医師やその他の職種の給与は入れておりません

2013/4/11 17:50
保守契約費が空白でした!?
画像差し替えました(汗)
すると意外にも、多人数用と個人用
HDとon-line HDFの間で大きな差が出なかった
規模(装置台数)を変えたり、実際の患者数を当てはめてみたら
もっと差が出るかもしれないけどね...(汗)
  • 他の施設さんにお願いされて作ったシュミレーションで、先方の要望で配置職員数は臨床工学技士を多くしております。給与費は看護師も技士も同額で計算しております...ご参考まで:汗
このくらいの規模なら、オレなら迷わず個人用のみで行くな
手間はかかるかもしれないけど、
患者さん毎で透析液を使い分けるって理想的だもんね
収支にも差がないようなので、事務方を黙らせる口実にはなるしね(笑)