やっぱり今回も長文になってしまった...(汗)
大量の水や電気を使用する透析療法では
停電・断水 = 治療の継続が困難となり
患者生命を脅かす危険性を孕むため、
予め十分な対策を検討する
また、急変時の対応や院内感染対策のための
基本設備をしっかり整えるよう
初期設計の段階から検討されたい
①電源設備
機械室の大型装置群は、
大量の供給水量を維持するためのポンプと、
一定以上の液温の維持のためのヒーターを
常時作動させることとなるため、
3相3線200V電源が必要となる
ベッドサイド透析装置には、
医療用接地付抜止め3Pコンセントは必須となる
(他医療機器も同様)
機械室の大型装置群(設置医療機器)は配電盤へ直接配線
ベッドサイド透析装置は
各装置の漏電や過電流などの際に、
他装置へ影響を及ぼさないため
漏電ブレーカー付の単独回路とする
(メインブレーカーには漏電ブレーカーは使用しない)
停電対策として、透析装置群の電源は
自家発電などの非常用電源を配線することが望まれるが、
小規模施設では設置が困難なため、
電力会社と相談の上、
2箇所以上の変電所から電力供給が受けられるよう、
2系統以上の送受電設備を設ける
②給排水設備
透析時間を4時間、QD500mL/minとした場合の
患者一人あたりに使用する透析液は120L(治療時のみ)であり
これに必要な透析用水を水処理装置で作成するためには
回収率が60%とした場合、200Lもの原水が必要となる
(一透析に患者20人施行なら4,000L)
大量の原水(上水道水)を供給する配管は
水圧変動がないよう配管径25Aの単独配管とする
断水 = 即、透析治療の中止となるため、
貯水槽を設置
(停電になると供給ポンプも停まるため落差で供給できる高架水槽が望ましい)
給水車による非常給水設備を設けるなどの対策も考慮しておく必要がある
原水に井水(地下水)を使用する際は
前処理設備を設け、
水処理装置には結合塩素を除去するための追加設備が必要となる
(カーボンフィルタ直列2本設置など)
透析用水は注射用水レベルの清浄度が担保されなければならない
水処理装置を起点に、患者人工腎臓へ供給されるまでの
装置・配管は澱みや滞留の少ない材質・構造のものを選定
使用済みの透析液廃水は、
患者血液の成分や治療後の配管洗浄の際の消毒薬液が流されるため、
pHやBOD(生物化学的酸素要求量)が高くなる
このため排水処理設備を設けるなど
各自治体お定める排水基準に準じた対策が必要となる
③酸素・吸引アウトレット
病態によっては透析治療中に酸素吸入や痰吸引処置を行う
重症透析例では人工呼吸器を装着した状態で行うことも珍しくなく、
酸素のみならず圧縮空気配管も必要となる
アウトレットがカウンターや壁に埋め込みの場合は、
使い勝手を考慮し2床に各1台(ベッド間に設置)とするが、
天吊りタイプは広範囲で共有しやすい(3~4床に1箇所)
使用頻度や設置スペースなど考慮の上、検討するとよい
④手洗洗面台
院内感染対策として、
患者及びスタッフ各々で専用の手洗い洗面台が必要となる
患者手洗いは、穿刺側肢の洗浄を行うことから、
腕全体が洗いやすいよう
水栓の蛇口は高さのあるグースネック型とする
スタッフ手洗いの設置個数は、
米国の基準では3〜4床に1台を推奨しているが、
各ベッドでの処置後、
速やかに手洗いが行える箇所へ設置されるこのが望ましい
汚染された手指で蛇口を操作することにより、
次に手洗いを行う者への伝搬が危惧されるため、
医療現場では通常、自動水栓や
センサー付きの石鹸・薬液供給装置の使用が推奨されている
周囲への跳ね返りによる汚染拡大防止のため
洗面台形状を検討する必要がある
手洗い後の拭き取りの際、
タオル共有は汚染を伝搬させるため禁忌とされ、
エアータオルかペーパータオルが推奨される
(エアータオルは騒音があるため透析室内での使用は推奨されない)
⑤災害対策
消防法では火災発生時の避難距離を50m以内、
非常口は2箇所以上確保・多方向避難が推奨されているが、
透析治療中は、血液回路に接続されているため、
火災発生 = 即避難とはいかず、
回路離断作業や治療の影響により状態も安定していないため
介助は必須であり、避難までに時間を要することから、
初期設計の段階で治療室を屋外への出入口に可能な限り近くに配置することや、
避難経路の通路幅は広く曲がり角のないよう設計すると良い
透析室はスプリンクラーの設置義務から除外されるため、
代用となる消火設備の設置を検討する
地震対策としては機械室の大型装置群は
免震装置に載せるか固定具を使用し、
給排水配管は可能限りフレキシブル配管を選択すると良い
停電・断水 = 治療の継続が困難となり
患者生命を脅かす危険性を孕むため、
予め十分な対策を検討する
また、急変時の対応や院内感染対策のための
基本設備をしっかり整えるよう
初期設計の段階から検討されたい
①電源設備
機械室の大型装置群は、
大量の供給水量を維持するためのポンプと、
一定以上の液温の維持のためのヒーターを
常時作動させることとなるため、
3相3線200V電源が必要となる
ベッドサイド透析装置には、
医療用接地付抜止め3Pコンセントは必須となる
(他医療機器も同様)
機械室の大型装置群(設置医療機器)は配電盤へ直接配線
ベッドサイド透析装置は
各装置の漏電や過電流などの際に、
他装置へ影響を及ぼさないため
漏電ブレーカー付の単独回路とする
(メインブレーカーには漏電ブレーカーは使用しない)
停電対策として、透析装置群の電源は
自家発電などの非常用電源を配線することが望まれるが、
小規模施設では設置が困難なため、
電力会社と相談の上、
2箇所以上の変電所から電力供給が受けられるよう、
2系統以上の送受電設備を設ける
②給排水設備
透析時間を4時間、QD500mL/minとした場合の
患者一人あたりに使用する透析液は120L(治療時のみ)であり
これに必要な透析用水を水処理装置で作成するためには
回収率が60%とした場合、200Lもの原水が必要となる
(一透析に患者20人施行なら4,000L)
大量の原水(上水道水)を供給する配管は
水圧変動がないよう配管径25Aの単独配管とする
断水 = 即、透析治療の中止となるため、
貯水槽を設置
(停電になると供給ポンプも停まるため落差で供給できる高架水槽が望ましい)
給水車による非常給水設備を設けるなどの対策も考慮しておく必要がある
原水に井水(地下水)を使用する際は
前処理設備を設け、
水処理装置には結合塩素を除去するための追加設備が必要となる
(カーボンフィルタ直列2本設置など)
透析用水は注射用水レベルの清浄度が担保されなければならない
水処理装置を起点に、患者人工腎臓へ供給されるまでの
装置・配管は澱みや滞留の少ない材質・構造のものを選定
使用済みの透析液廃水は、
患者血液の成分や治療後の配管洗浄の際の消毒薬液が流されるため、
pHやBOD(生物化学的酸素要求量)が高くなる
このため排水処理設備を設けるなど
各自治体お定める排水基準に準じた対策が必要となる
③酸素・吸引アウトレット
病態によっては透析治療中に酸素吸入や痰吸引処置を行う
重症透析例では人工呼吸器を装着した状態で行うことも珍しくなく、
酸素のみならず圧縮空気配管も必要となる
アウトレットがカウンターや壁に埋め込みの場合は、
使い勝手を考慮し2床に各1台(ベッド間に設置)とするが、
天吊りタイプは広範囲で共有しやすい(3~4床に1箇所)
使用頻度や設置スペースなど考慮の上、検討するとよい
④手洗洗面台
院内感染対策として、
患者及びスタッフ各々で専用の手洗い洗面台が必要となる
患者手洗いは、穿刺側肢の洗浄を行うことから、
腕全体が洗いやすいよう
水栓の蛇口は高さのあるグースネック型とする
スタッフ手洗いの設置個数は、
米国の基準では3〜4床に1台を推奨しているが、
各ベッドでの処置後、
速やかに手洗いが行える箇所へ設置されるこのが望ましい
汚染された手指で蛇口を操作することにより、
次に手洗いを行う者への伝搬が危惧されるため、
医療現場では通常、自動水栓や
センサー付きの石鹸・薬液供給装置の使用が推奨されている
周囲への跳ね返りによる汚染拡大防止のため
洗面台形状を検討する必要がある
手洗い後の拭き取りの際、
タオル共有は汚染を伝搬させるため禁忌とされ、
エアータオルかペーパータオルが推奨される
(エアータオルは騒音があるため透析室内での使用は推奨されない)
⑤災害対策
消防法では火災発生時の避難距離を50m以内、
非常口は2箇所以上確保・多方向避難が推奨されているが、
透析治療中は、血液回路に接続されているため、
火災発生 = 即避難とはいかず、
回路離断作業や治療の影響により状態も安定していないため
介助は必須であり、避難までに時間を要することから、
初期設計の段階で治療室を屋外への出入口に可能な限り近くに配置することや、
避難経路の通路幅は広く曲がり角のないよう設計すると良い
透析室はスプリンクラーの設置義務から除外されるため、
代用となる消火設備の設置を検討する
地震対策としては機械室の大型装置群は
免震装置に載せるか固定具を使用し、
給排水配管は可能限りフレキシブル配管を選択すると良い
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