今後のon-line HDF

2010年7月5日月曜日

お仕事

この話題で他の方のブログにコメントしておいて、
自分では何も書かないのはどうかと思ったので、
とりあえず現状での当院の考えを投稿するとします

当院は患者監視装置26台全台でon-line HDF施行可能
うち25台は既存の患者監視装置に別付けの補液ポンプを使用
残りの1台は最近認可されたon-line HDF対応機

今まではお国(厚労省)も薬事法上違法性のあるon-line HDF自体を
公には認めていなかったので、実体を調べることすらしてこなかった
「違法なんですから、そんなことしているわけないですよね~?」ってな感じかな…

だから、殆どの施設では表向きは内緒で各施設の責任の下、
診療報酬としてon-line HDFの請求ができるわけでもないのに、
しかも持ち出しで(損をしてまで)、清浄化や違法性に関するリスクを冒してまでも
"患者のため"という善意の思いだけで行って来た経緯がある

このような施設は診療報酬上認めてもらうためではなく、
"治療"として認めてもらうだけで良かったはず
それが厳しい施設基準を言い渡されたとしても…(オレの勝手な考えですが)

しかし、先日「日本透析医会」のHPで示された4条件を見る限り、
on-line HDFは限られた(適応の)患者に対して、
認められた設備(専用装置)と方法(ダイアライザではなくヘモダイアフィルタ)を
用いて行った場合に限り診療報酬上認めますよ!と言った内容

適応疾患以外は請求できないのはもちろんだが、
認可された専用装置以外の装置で行った場合や
ヘモダイアフィルタではないダイアライザを使用した場合など
on-line HDF(に類似したこと)をやっておいて
"on-line HDF"はもちろんのこと"HD"として請求しても不正請求だよ!
と言っているようにも聞こえる(読み手の解釈次第だが…)

専用装置を増やしてもらうよう上層部にお願いしたが、
話が急すぎてもちろん予算が確保できるわけもなく、
今後の検討事項として前向きに考えるという回答のみ

担当医とも相談し、レセプト返戻の噂まで立っている以上、
違法性のリスクを冒してまでやるメリットはないので、
専用装置で"合法"な方法で最低限必要な患者にのみ行いながら、
世の中の動向を見極めようということになった

当院では現在十数名の患者がon-line HDFを行っている
うちアミロイド症や透析困難症などの適応疾患はほんの2~3名
残りはADLが良好で活動的な患者を対象に合併症予防と称して行っている
この診療報酬上適応のない患者に関して、今後止める方向で考えているが、
止める理由の説明と止めた後の条件をどうするかが悩みどころ

高効率のHDでon-line HDF並の効果が期待できる方法を模索するとします