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透析施設開設までの道程②ニーズがあるから始められる

透析室を作るにあたって、
まず考えなきゃならんのが地域のニーズ

どれほどの患者さんがいて
既存施設での受入状況は?通院に困っていないか?
希望の治療(長時間HD、On-Line HDF等)は受けられているか?
域外で受療している等、溢れて困っている患者さんはいないか?等々...
需要がどれほどあるかを調べる必要がある
(既存施設の評判も考慮すべきかも:笑)

来てくれると思われる患者さんの人数を
ある程度、予測しておかないと
施設規模や従事職員数も決められないし
収支目標すら立てられない

しかし、この需要調査が難儀なんだよね...
極狭い地域の患者数を調べる方法ってなかなか無いんですよね

北海道では「透析医療の現況調査」と称して
北海道保健福祉部より
毎年9月末時点で既存の各透析施設に調査を依頼し
透析患者の受療動向をまとめている
(他都府県ではどうなのかな?)
結果は調査に協力した施設には無条件で配布
それ以外の医療機関でも道保健福祉部に請求すれば
メールか郵送で送ってくれる

しかし、2次医療圏単位での動向しか公表してないので
極狭い地域の状況を把握することは困難

実は平成17年度の調査結果まで
患者さんの居住区を市町村単位で、
どの医療圏の施設に受療しているかまでわかるような
詳細な結果を公表していた
これは結構使えたんだけどな...
平成20年度の調査結果が出た時に
無理言って市町村単位のものを出してもらったことがあったが
「今後一切出せませんよ!」と、苦言を言われたっけ(笑)

確実なのは各市町村役場に聞くこと
自立支援医療(更生医療)の申請窓口が各市町村なので
役場では通院施設などの詳細を把握している

しかし、「開業するから教えて」と、言ったところで
個人情報保護を理由に、そう簡単には教えてはくれない

公的医療機関なら役場との繋がりがあるので
個人情報を伏せた形でなら簡単に情報を開示してくれる(かも?)

随分昔に勤めていた町立病院では
「同じ役場の職員なんだから」と言って
個人情報も一緒に開示してくれたっけ...!?
それを元に各患者さんのお宅にアンケートを送付して
地域の全患者さんの意志を確かめて、
確実に受療する意志のある患者さんを把握してから
施設規模の検討に入ったこともあったけ...

同じお役所の組織内といえど、
今こんなことしたら大騒ぎになるな(もう時効です:笑)

さて、他にできることといえば、
既存施設への挨拶廻りと称して"スパイ"しに行くとか(笑)
製薬や医療機器の業者さんから聞き出すことくらいかな...
業者の情報って意外に
リアルタイムで正確だったりするんだよね

近隣施設の仲の良い同業者(技士や医者)から
直接聞くという手もあるが、
実はこれは一番不確実
こちらが仲が良いと思っていても、相手からして見れば
近隣にライバル施設ができるのは面白くないからね(笑)

仮に開設後に来てくれそうな患者数を
何らかの方法で正確に把握できたとしても
それぞれ事情があって現施設で受療しているわけで
余程前評判が良くない限り、
皆さんが挙って来てくれるとは限らないことに留意しなくてはね

近隣に、導入後の安定した患者さんを
ポンポンと他施設へ紹介してくれる導入施設があれば
そこの先生と仲良くなっておけば
商圏調査なんぞしなくても苦労はしないだろうけどな...
(前勤務施設は開設当初、そんな感じでした:笑)

前置きが長くなりましたが、
当院は周辺町村より補助金をいただいて運営している
所謂、公的病院です
今回の透析開設話も、
周辺自治体からの要望があって検討したこと

...なので患者動向の把握は
各町村役場の協力を得てスムーズに行えました
既存施設へも挨拶廻りを兼ねた情報収集に行きましたし
業者さんからリアルタイムな情報もいただき
全ての情報の整合性も取れ一安心

...と、思っていたのですが、
ほんの数カ月経過しただけなのに
せっかく手に入れた情報が目まぐるしく変化していてびっくり

当院のある地域は過疎化の進む僻地で
高齢者が多く、平均年齢が高い
患者層も同様で、亡くなられた方や
独居や通院が大変なため、
身内を頼って施設の充実した都市部へ
転居されている方が増えている様子

自治体から最初に要望をいただいた数年前の時点では
既存施設では透析ベッド数が不足していて、
溢れた患者さん多数おり、
他圏域の透析施設へ通院されていたとのこと

しかし、オレがこの度行った調査では
この地域は近年、患者数が減少傾向

開設までモタモタしているうちに、
当初、想定していた患者数どころか、
既存施設だけで十分なほどまで減ってしまい
当院が開設する意義がなくなってしまうかもです...(汗)

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