先日、参加した血液浄化技術学会で
たまたま拝聴した穿刺に関する一般演題のご発表の中で
イソジン(ポピドンヨード)で消毒後、
ハイポアルコール(チオ硫酸ナトリウム)で脱色してから
穿刺をしているというお話があって、
あれ?と思った次第... ハテ?(。_゚)?
質問者からツッコまれておったが、
ハイポアルコールも多少なりとも消毒効果有りと切り返しておりました!?
当院で使用しているハイポアルコールはこれ
"滅菌"って書いてるけど、
開栓した時点から時間の経過と共に汚染されるよね...
本気で清潔に使用したいなら、単包製品を使うべき
ラベルや添付文書を見たら
エタノール(CH3CH2OH)が36%含有!?
エタノールアルコールの至適濃度って
70%(60〜90%で消毒効果を発揮)でなかったっけ?
これじゃ消毒効果は期待できないよね
製品によっては60%以上含有しているものもあるようだけどね
エタノールとイソジンって抗菌スペクトル的には
同等の効果が期待される
...が、持続性ではイソジン > エタノールってことになっている
また、ハイポアルコールでの脱色という行為は
化学的に不活性化させるので、
持続効果を期待できない
イソジンは乾燥させることで、
遊離ヨウ素の酸化作用によってたんぱく質を変性させ
微生物を抑えこむ(無害化する)
ハイポで脱色することで、
遊離ヨウ素を還元してしまい、
化学反応でヨウ素イオンにしてしまい、
消毒効果を打ち消してしまうらしい...
...だから、
ハイポが仮に(エタノール60%以上含有なら)消毒効果があるからと言って、
ヨードの脱色のために使ったら、
せっかくイソジンで消毒した意味なくね?
それなら、初っ端から70%程度のエタノールのみで消毒すれば良いのに...
当院ではAVFはエタノール清拭のみ
AVGと表在化動脈にイソジンを使用しております
感染症学会のQ&AにあったIVH(CVカテ)の消毒法を参考に...
まずは汚れ(皮脂や蛋白)落としのため
エタノールで清拭
次にイソジンを単包の綿棒で塗布
穿刺部を中心に外側へ向かってグルグル...
(◎д◎;)メガマワル〜
全体を塗り終わったら
乾燥させるため2分ほど放置
早く乾燥させようと、手で扇ぐ輩もいるが無意味
空気中の粉塵を余計に付けるだけ(苦笑)
乾燥を確認してから穿刺
この患者さんはAVF(翼状)針を使用
穿刺したら滅菌された透明ドレッシングで密閉
A・V両側をドレッシングで密閉したら
周囲の余分なイソジンをハイポアルコールで脱色
ハイポアルコールは"不潔"という前提で
未滅菌ガーゼに含浸させて、作りおきをしております
(当然、消毒効果なんぞ期待してません)
ドレッシング内のイソジンだけ残すことで
消毒効果の持続と汚染の機会を減らすことを期待
ハイポって若干だけどヌメリ感が残って、
テープが貼りにくくなってしまうので
乾いたガーゼで拭きとってからテープ固定
写真のように
穿刺針のチューブ側のドレッシングが浮いてしまっているのを
ドレッシングの上から固定テープで押さえつけ
塞いでしまっても良いかと思われます
自画自賛の方法なのですが、
誤りがあるようならご指摘願います <(_ _)>ヤサシクオネガイ...
[2017/3/6]
この記事は2014/4/23に作成しておりますが、
未だにアクセスが絶えないようなので追記いたします。
2017年現在、AVFおよびAVGの穿刺部位消毒に
ポピドンヨード(イソジン)は推奨されておりません。
詳しくはこちら↓の記事をどうぞ。
https://oompa-de-loompa.blogspot.jp/2014/05/vasucular-access.html
https://oompa-de-loompa.blogspot.jp/2017/01/blog-post_4.html
たまたま拝聴した穿刺に関する一般演題のご発表の中で
イソジン(ポピドンヨード)で消毒後、
ハイポアルコール(チオ硫酸ナトリウム)で脱色してから
穿刺をしているというお話があって、
あれ?と思った次第... ハテ?(。_゚)?
質問者からツッコまれておったが、
ハイポアルコールも多少なりとも消毒効果有りと切り返しておりました!?
当院で使用しているハイポアルコールはこれ
"滅菌"って書いてるけど、
開栓した時点から時間の経過と共に汚染されるよね...
本気で清潔に使用したいなら、単包製品を使うべき
ラベルや添付文書を見たら
エタノール(CH3CH2OH)が36%含有!?
エタノールアルコールの至適濃度って
70%(60〜90%で消毒効果を発揮)でなかったっけ?
これじゃ消毒効果は期待できないよね
製品によっては60%以上含有しているものもあるようだけどね
エタノールとイソジンって抗菌スペクトル的には
同等の効果が期待される
...が、持続性ではイソジン > エタノールってことになっている
また、ハイポアルコールでの脱色という行為は
化学的に不活性化させるので、
持続効果を期待できない
イソジンは乾燥させることで、
遊離ヨウ素の酸化作用によってたんぱく質を変性させ
微生物を抑えこむ(無害化する)
ハイポで脱色することで、
遊離ヨウ素を還元してしまい、
化学反応でヨウ素イオンにしてしまい、
消毒効果を打ち消してしまうらしい...
...だから、
ハイポが仮に(エタノール60%以上含有なら)消毒効果があるからと言って、
ヨードの脱色のために使ったら、
せっかくイソジンで消毒した意味なくね?
それなら、初っ端から70%程度のエタノールのみで消毒すれば良いのに...
当院ではAVFはエタノール清拭のみ
AVGと表在化動脈にイソジンを使用しております
感染症学会のQ&AにあったIVH(CVカテ)の消毒法を参考に...
まずは汚れ(皮脂や蛋白)落としのため
エタノールで清拭
次にイソジンを単包の綿棒で塗布
穿刺部を中心に外側へ向かってグルグル...
(◎д◎;)メガマワル〜
全体を塗り終わったら
乾燥させるため2分ほど放置
早く乾燥させようと、手で扇ぐ輩もいるが無意味
空気中の粉塵を余計に付けるだけ(苦笑)
乾燥を確認してから穿刺
この患者さんはAVF(翼状)針を使用
穿刺したら滅菌された透明ドレッシングで密閉
A・V両側をドレッシングで密閉したら
周囲の余分なイソジンをハイポアルコールで脱色
ハイポアルコールは"不潔"という前提で
未滅菌ガーゼに含浸させて、作りおきをしております
(当然、消毒効果なんぞ期待してません)
ドレッシング内のイソジンだけ残すことで
消毒効果の持続と汚染の機会を減らすことを期待
ハイポって若干だけどヌメリ感が残って、
テープが貼りにくくなってしまうので
乾いたガーゼで拭きとってからテープ固定
写真のように
穿刺針のチューブ側のドレッシングが浮いてしまっているのを
ドレッシングの上から固定テープで押さえつけ
塞いでしまっても良いかと思われます
自画自賛の方法なのですが、
誤りがあるようならご指摘願います <(_ _)>ヤサシクオネガイ...
[2017/3/6]
この記事は2014/4/23に作成しておりますが、
未だにアクセスが絶えないようなので追記いたします。
2017年現在、AVFおよびAVGの穿刺部位消毒に
ポピドンヨード(イソジン)は推奨されておりません。
詳しくはこちら↓の記事をどうぞ。
https://oompa-de-loompa.blogspot.jp/2014/05/vasucular-access.html
https://oompa-de-loompa.blogspot.jp/2017/01/blog-post_4.html
4 件のコメント:
お疲れ様です。
イソジンからのハイポで穿刺は折角の消毒が勿体ないですよね。
だいぶ前からこの世界でもおすすめしていない方法と認識しています。
うんぱるんぱさんの主義にはとても感心をした次第ですが、穿刺の際は、シャント肢(イソジンで消毒したエリア内)に全く触れずに穿刺をしているのですか?写真だけだと穿刺時がわからなかったので。
satoさん
はじめまして…でしたでしょうか?(汗)
イソジンエリア内の操作は滅菌グローブ装着です。
介助者に針やドレッシング渡してもらって、ドレッシング貼付したら清潔操作終了です。
よく知っているではないですか!(笑)
滅菌手袋?! 自己血管内シャントの方にも? 全てのVAに?
失礼(汗)ローマ字のお名前で、ピンときませんでした(苦笑)
FBの方でコメントくださればよかったのに...(笑)
自己血管(AVF)は酒精綿(エタノール)清拭のみなので、自己防御用の未滅菌グローブで行ってます。
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