長文注意!本題は後半へ(笑)
リポート◎18年度改定でSAS・COPD患者のフォローを評価
点数新設! 遠隔モニタリングの損得勘定
日経メディカルより
2018年度診療報酬改定では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)に対する持続陽圧呼吸療法(CPAP)と、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの患者に対する在宅酸素療法(HOT)について、月1回のテレビ電話などを通じた指導を評価する「遠隔モニタリング加算」(月150点)が新設された。しかし、システム利用のために医療機関や患者が負担する費用を勘案すると、算定する施設は限られそうだ。
持続陽圧呼吸療法(CPAP)では従来、月1回の対面診療が求められていたが、前回の2016年度改定で対面診療を3カ月に1回行えば、間の2カ月分の機器レンタル費用(在宅持続陽圧呼吸療法用治療器加算、在宅持続陽圧呼吸療法材料加算の2種類)を請求できるようになっている。そのため、外来の効率化を図る大病院を中心に、対面診療の頻度を3カ月置きに減らしているところが少なくない。
しかし睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、「寝る前に機器を装着するのが面倒だ」といった理由で治療から離脱する患者が非常に多い疾患だ。厚生労働科学研究費を用いた実証研究では、3カ月置きの受診は毎月受診と比べてCPAPのアドヒアランスが低下することが示されており、毎月の対面診療が望ましいとされている。
オンライン診療との高い親和性
この「毎月の対面診療」に代わると期待されるのが遠隔モニタリングだ(表1)。前出の実証研究では、3カ月置きの受診とその合間に行う遠隔モニタリングを組み合わせれば、毎月受診に匹敵する治療アドヒアランスが得られるという結果が出ている。実際、一部の医療機関では、改定前から電話等再診によるオンライン診療を対面診療の合間に行うことで患者をフォローしていた。電話等再診とは、電話などで指導をした場合に再診料を算定する仕組みのことだ。
CPAPでは治療機器が日々記録した「平均使用時間」や「平均過剰リーク(空気漏れ)時間」「無呼吸低呼吸指数(AHI)」などから機器の使用状況や患者の状態に問題がないかどうかを確認した上で、SASの背景にある生活習慣病を改善するための指導を行う。遠隔でこれを行う際は、機器のデータをオンライン上で転送したり、記録媒体を患者が郵送し、それを基に医師がテレビ電話などを通じて指導する。SAS患者86人中2人にオンライン診療を提供してきたみやはら耳鼻咽喉科(岡山市南区)院長の宮原孝和氏は、「CPAPは遠隔も対面もやることがほとんど同じで、オンライン診療との親和性は高い」と話す。
患者の自己負担が普及のハードルに
しかし、遠隔モニタリング加算が新設されたことに対する現場からの反応は乏しい。もちろん、オンライン診療には患者にとって待ち時間や通院の手間を減らすメリットがある。だが、システム利用のために医療機関が負担する費用や患者が支払う自己負担などを勘案すると、そもそもオンライン診療に対応しようとする医療機関が少なく、オンライン診療を選ぶ患者も限定的だからだ。宮原氏も「『当院は新しい診療スタイルに対応している』という広報的な意味合いもあって遠隔モニタリングを行っているものの、医療機関や患者へのメリットは実際にそれほど感じない」と打ち明ける。
改定前後の遠隔モニタリングと対面診療で請求できる診療報酬などをまとめたのが図1だ。遠隔モニタリングを行う際は、医療機関が自由に設定できるシステム使用料を患者から自費で徴収できる。これが1回520円を超えると、対面診療より遠隔モニタリングの方が患者の自己負担額が高くなる。一方で、医療機関としてはシステム使用料を1720円以上にしないと対面診療と比べて収入が減ることになる。さらに患者からの予約の受け付けなど、オンライン診療のシステムを使用するには、医療機関からシステム会社に一般的に月数千円~数万円の使用料を払わなくてはならず、会社によっては数十万円の初期費用も発生する。
みやはら耳鼻咽喉科は4月以降、システム使用料として2500円を徴収することにしており、「自己負担が高くなっても遠隔モニタリングがいいという限られた患者だけを対象にする」(宮原氏)考えだ。SASの患者は予診を行えば医師の診察はすぐに終わる。そこで同院は、状態が安定しているSAS患者に対して、スタッフが機器の使用状況や治療上の悩みなどをあらかじめ聞き取った上で、他の患者の順番を飛ばして診察する待ち時間削減の取り組みも行っている。宮原氏は「当院では、患者が遠隔モニタリングを選ぶメリットは、通院の手間がなくなることしかない」と言い切る。同院で遠隔モニタリングを行う患者が2人しかいないのには、こうした背景もありそうだ。
「外来の待ち時間が長い医療機関や忙しい人が多い都心部では、遠隔モニタリングのニーズが比較的大きいかもしれない」と宮原氏は話している。
では、在宅酸素療法(HOT)に新設された遠隔モニタリング加算(表2)はどうか。CPAPと報酬体系はほぼ同じで、対面診療の合間に月1回以上のモニタリングを行えば算定できる。ただし、「きちんと機器を使用しているか」を定期的に確認するCPAPと異なり、HOTの遠隔モニタリングは「在宅療養中に病状が不安定になっていないか」を逐一確認するという点で、臨床的な位置付けはだいぶ異なる。
HOTを実施している患者は全国で16万人を超えており、うち約45%を占めるCOPD患者の平均年齢は78歳と高齢だ。在宅療養中に発熱するなど状態が不安定になった際、軽症なのに救急車を呼んでしまったり、逆に対応が遅れることで症状が重篤化するケースが少なくない。こうした事例を減らすため、在宅療養中、遠隔から医師や看護師が医学的フォローを行うことが評価された。
本加算のモデルケースとして、改定を議論する厚労省・中央社会保険医療協議会で取り上げられたのが、聖路加国際大学看護学研究科教授の亀井智子氏の研究だ。HOTを実施している37人を対象にしたランダム化比較試験で、在宅療養中の患者に遠隔モニタリングを行ったところ、何もしない群に比べて急性増悪や再入院の回数が有意に減っていた。また、遠隔モニタリングの効果に関する9論文のシステマティックレビューでも入院や救急搬送、急性増悪などが減ることが示された。
将来は他の慢性疾患でも
しかし、現時点で在宅酸素療法の遠隔モニタリング加算を実際に算定する医療機関はごくわずかだとみられる。加算の算定要件は「月1回以上」だが、患者の状態変化に気付くにはモニタリングを基本的に毎日行わないといけない。この手間に対して月150点という報酬は到底、見合わないからだ。
亀井氏の研究では、患者にタブレット端末や血圧計、パルスオキシメーター、体重・体組成計などを貸し出し、毎朝1回、バイタルサインを計測してもらっている。計測結果はBluetooth通信によってタブレット端末に転送され、患者は画面に表示された問診項目に回答する。医療機関に集まった各患者のバイタルサインや問診結果のうち、異常値があればそのデータを基に看護師がテレビ電話などで指導する。亀井氏らの研究を除いて、ここまで手厚いフォローを行っている医療機関はほとんどない。
「現在、遠隔モニタリングを行うことによる医療費抑制効果を検証している最中だ」と亀井氏は話す。効果が高ければ、次回以降の改定で加算の点数引き上げを要望するつもりだという。「今回は研究成果が比較的多い在宅酸素療法に遠隔モニタリングの加算が新設されたが、将来は、糖尿病など他の慢性疾患にも適用できる加算だと考えている」と亀井氏。これまでのノウハウを基に、遠隔モニタリングを行うためのシステムや患者向けアプリを企業と共同開発中で、近いうちに他の医療機関でも遠隔モニタリングに取り組みやすくする考えだ。
医療機器とICTの連携は、
今後、着実に且つ急速に普及するだろうね
フィーが低いのは、
今後、普及拡大が見込まれるから...だと思う
次回改定あたりで、適応分野が一気に広がるんじゃないかな?
急速な普及拡大で懸念されるのは、
セキュリティの問題
扱う側のルールが確立されていないうちに始めちゃったもんだから、
一気にいろんなところ(こと)でやり始めちゃったら、
何かしら不都合(不具合)が発生した時に、
大きな混乱に繋がりかねないよね
だから、今は領域を制限しながら手探りで行っている段階なのでは?
以前、参加させてもらった自民党主催の
「医療分野の情報管理の強化に向けた勉強会」も
すでに5回目が開催された模様
以前の記事はコチラ
https://oompa-de-loompa.blogspot.jp/2018/02/blog-post_21.html
国会議員さんや関係省庁の官僚の方々も
危機感を募らせている様子(汗)
...なのに、医療施設側からは、
積極的な動きが見られないような...!?
軽く考えていられるようなものじゃないんだけどね(苦笑)
国では、こんな組織まで立ち上げて、
対策を講じようと必死にやっているようだよ
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/jisedai_kiban/dai5/gijisidai.html
ましてやCPAPやHOTなんて、
臨床工学技士が絡める分野なのに、
名前すら挙がらなかったのが寂しいね
次の勉強会あたりで
臨床工学技士の名前が出てくることを期待したいね(笑)
そんな臨工の職域拡大などを
国にお願いするための足がかりになる集まりが
近日、行われる模様!
連盟会員さんには、既にメルマガでご案内を送ってますが、
会を盛り上げるだけじゃなく、臨工の将来のためにも
皆さん、奮ってご参加くださいねぇ (^o^)ノゼヒーッ
リポート◎18年度改定でSAS・COPD患者のフォローを評価
点数新設! 遠隔モニタリングの損得勘定
日経メディカルより
2018年度診療報酬改定では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)に対する持続陽圧呼吸療法(CPAP)と、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの患者に対する在宅酸素療法(HOT)について、月1回のテレビ電話などを通じた指導を評価する「遠隔モニタリング加算」(月150点)が新設された。しかし、システム利用のために医療機関や患者が負担する費用を勘案すると、算定する施設は限られそうだ。
持続陽圧呼吸療法(CPAP)では従来、月1回の対面診療が求められていたが、前回の2016年度改定で対面診療を3カ月に1回行えば、間の2カ月分の機器レンタル費用(在宅持続陽圧呼吸療法用治療器加算、在宅持続陽圧呼吸療法材料加算の2種類)を請求できるようになっている。そのため、外来の効率化を図る大病院を中心に、対面診療の頻度を3カ月置きに減らしているところが少なくない。
しかし睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、「寝る前に機器を装着するのが面倒だ」といった理由で治療から離脱する患者が非常に多い疾患だ。厚生労働科学研究費を用いた実証研究では、3カ月置きの受診は毎月受診と比べてCPAPのアドヒアランスが低下することが示されており、毎月の対面診療が望ましいとされている。
オンライン診療との高い親和性
この「毎月の対面診療」に代わると期待されるのが遠隔モニタリングだ(表1)。前出の実証研究では、3カ月置きの受診とその合間に行う遠隔モニタリングを組み合わせれば、毎月受診に匹敵する治療アドヒアランスが得られるという結果が出ている。実際、一部の医療機関では、改定前から電話等再診によるオンライン診療を対面診療の合間に行うことで患者をフォローしていた。電話等再診とは、電話などで指導をした場合に再診料を算定する仕組みのことだ。
表1 CPAPの遠隔モニタリングの評価 |
患者の自己負担が普及のハードルに
しかし、遠隔モニタリング加算が新設されたことに対する現場からの反応は乏しい。もちろん、オンライン診療には患者にとって待ち時間や通院の手間を減らすメリットがある。だが、システム利用のために医療機関が負担する費用や患者が支払う自己負担などを勘案すると、そもそもオンライン診療に対応しようとする医療機関が少なく、オンライン診療を選ぶ患者も限定的だからだ。宮原氏も「『当院は新しい診療スタイルに対応している』という広報的な意味合いもあって遠隔モニタリングを行っているものの、医療機関や患者へのメリットは実際にそれほど感じない」と打ち明ける。
改定前後の遠隔モニタリングと対面診療で請求できる診療報酬などをまとめたのが図1だ。遠隔モニタリングを行う際は、医療機関が自由に設定できるシステム使用料を患者から自費で徴収できる。これが1回520円を超えると、対面診療より遠隔モニタリングの方が患者の自己負担額が高くなる。一方で、医療機関としてはシステム使用料を1720円以上にしないと対面診療と比べて収入が減ることになる。さらに患者からの予約の受け付けなど、オンライン診療のシステムを使用するには、医療機関からシステム会社に一般的に月数千円~数万円の使用料を払わなくてはならず、会社によっては数十万円の初期費用も発生する。
図1 CPAPにおける遠隔モニタリング・対面診療の2018年度診療報酬改定前後の比較 |
「外来の待ち時間が長い医療機関や忙しい人が多い都心部では、遠隔モニタリングのニーズが比較的大きいかもしれない」と宮原氏は話している。
では、在宅酸素療法(HOT)に新設された遠隔モニタリング加算(表2)はどうか。CPAPと報酬体系はほぼ同じで、対面診療の合間に月1回以上のモニタリングを行えば算定できる。ただし、「きちんと機器を使用しているか」を定期的に確認するCPAPと異なり、HOTの遠隔モニタリングは「在宅療養中に病状が不安定になっていないか」を逐一確認するという点で、臨床的な位置付けはだいぶ異なる。
表2 在宅酸素療法の遠隔モニタリングの評価 |
本加算のモデルケースとして、改定を議論する厚労省・中央社会保険医療協議会で取り上げられたのが、聖路加国際大学看護学研究科教授の亀井智子氏の研究だ。HOTを実施している37人を対象にしたランダム化比較試験で、在宅療養中の患者に遠隔モニタリングを行ったところ、何もしない群に比べて急性増悪や再入院の回数が有意に減っていた。また、遠隔モニタリングの効果に関する9論文のシステマティックレビューでも入院や救急搬送、急性増悪などが減ることが示された。
将来は他の慢性疾患でも
しかし、現時点で在宅酸素療法の遠隔モニタリング加算を実際に算定する医療機関はごくわずかだとみられる。加算の算定要件は「月1回以上」だが、患者の状態変化に気付くにはモニタリングを基本的に毎日行わないといけない。この手間に対して月150点という報酬は到底、見合わないからだ。
亀井氏が患者に貸し出す機器一式。計測機器を用いて患者が毎日、バイタルを計測し、それらのデータがタブレット端末に取り込まれる。問診項目への回答も含めた情報が医療機関に送信されることで、在宅療養中も患者をモニタリングできる仕組みだ |
「現在、遠隔モニタリングを行うことによる医療費抑制効果を検証している最中だ」と亀井氏は話す。効果が高ければ、次回以降の改定で加算の点数引き上げを要望するつもりだという。「今回は研究成果が比較的多い在宅酸素療法に遠隔モニタリングの加算が新設されたが、将来は、糖尿病など他の慢性疾患にも適用できる加算だと考えている」と亀井氏。これまでのノウハウを基に、遠隔モニタリングを行うためのシステムや患者向けアプリを企業と共同開発中で、近いうちに他の医療機関でも遠隔モニタリングに取り組みやすくする考えだ。
医療機器とICTの連携は、
今後、着実に且つ急速に普及するだろうね
フィーが低いのは、
今後、普及拡大が見込まれるから...だと思う
次回改定あたりで、適応分野が一気に広がるんじゃないかな?
急速な普及拡大で懸念されるのは、
セキュリティの問題
扱う側のルールが確立されていないうちに始めちゃったもんだから、
一気にいろんなところ(こと)でやり始めちゃったら、
何かしら不都合(不具合)が発生した時に、
大きな混乱に繋がりかねないよね
だから、今は領域を制限しながら手探りで行っている段階なのでは?
以前、参加させてもらった自民党主催の
「医療分野の情報管理の強化に向けた勉強会」も
すでに5回目が開催された模様
以前の記事はコチラ
https://oompa-de-loompa.blogspot.jp/2018/02/blog-post_21.html
国会議員さんや関係省庁の官僚の方々も
危機感を募らせている様子(汗)
...なのに、医療施設側からは、
積極的な動きが見られないような...!?
軽く考えていられるようなものじゃないんだけどね(苦笑)
国では、こんな組織まで立ち上げて、
対策を講じようと必死にやっているようだよ
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/kenkouiryou/jisedai_kiban/dai5/gijisidai.html
ましてやCPAPやHOTなんて、
臨床工学技士が絡める分野なのに、
名前すら挙がらなかったのが寂しいね
次の勉強会あたりで
臨床工学技士の名前が出てくることを期待したいね(笑)
そんな臨工の職域拡大などを
国にお願いするための足がかりになる集まりが
近日、行われる模様!
連盟会員さんには、既にメルマガでご案内を送ってますが、
会を盛り上げるだけじゃなく、臨工の将来のためにも
皆さん、奮ってご参加くださいねぇ (^o^)ノゼヒーッ
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