穿刺の三種の神器となるか!?

2015年7月15日水曜日

お仕事 時事ネタ

血液透析の穿刺に最適なヘッドマウントディスプレイが単眼式になった理由

ITmedia network on Engineering MONOistより

 ブラザーのヘッドマウントディスプレイ「エアスカウター」の医療用モデルは、東京大学医学部附属病院との共同研究によって生み出された製品だ。超音波検査装置の画像を見ながら血液透析のための血管に針を刺す(穿刺する)のに使いやすくするため、さまざまな改良が施されている。

 ブラザーは2015年7月13日、東京都内で会見を開き、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)「エアスカウター」の新製品を発表した。同年7月下旬発売予定で業務用モデルの「WD-200A」と、10月下旬発売予定の医療用モデル「WD-250A」の2機種である。価格はオープンプライスだが、WD-200Aの市場想定価格は約25万円程度。医療機器メーカーへの納入も想定するWD-250Aは「WD-200Aより高機能なので25万円よりは高い」(同社)ものの、市場想定価格は明らかにしなかった。

 国内販売目標台数は発売から3年間で約1万2000台(業務用と医療用の販売比率はおよそ1:1)。2015年末から海外展開も開始し、その後3年間で世界約3万台の販売を見込む。
エアスカウターの医療用モデル「WD-250A」を装着した状態

エコーをすぐそばで確認しつつ、穿刺をするには
 医療モデルのWD-250Aは、東京大学医学部附属病院 22世紀医療センター 腎疾患総合医学講座 特任准教授の花房規男氏と共同で開発した製品だ。主な用途は、糖尿病や腎疾患などで必要になる血液透析を行う際に、専用の血管である「バスキュラーアクセス」に、超音波検査装置の画像を見ながら針を刺す「エコーガイド下バスキュラーアクセス穿刺」である。

 会見では、花房氏が登壇し、共同研究に至る経緯や、エコーガイド下バスキュラーアクセス穿刺に使いやすいエアスカウターの開発、他分野の医療領域への応用などについて説明した。

 花房氏の専門は血液透析だ。血液透析では専用のバスキュラーアクセスと呼ばれる血管に針を刺す(穿刺する)ことを求められる。しかし近年は、血液透析を必要とする患者の背景因子の変化(高齢化、糖尿病、長期患者など)を受け、バスキュラーアクセスに穿刺するのが難しい患者が増えている。

 また、1人当たりのスタッフが受け持つ患者数が増えているため、より大勢の患者に穿刺を行わねばならない。花房氏は、これらの課題を解決する方法として、超音波検査装置の画像を見ながら穿刺を行う、エコーガイド下バスキュラーアクセス穿刺を普及させたいと考えていたという。
エコーガイド下バスキュラーアクセス穿刺の必要性 出典:東京大学医学部附属病院
しかし、超音波映像(エコー)を見ながら穿刺を行う際には、エコーが映し出されるディスプレイ画面と、実際に手技を行う場所を交互に見なければならない。これでは、作業者の技能レベルに関係なく、作業負荷が掛かるとともに、穿刺時の安全性も確保しづらいという課題があった。「そこで、エコーをHMDに表示させれば、視点の移動を最小限にしながらエコーガイド下の穿刺ができるのではないかと考えた」と花房氏は話す。
エコー画像を見ながらの穿刺は視線移動が煩わしい 出典:東京大学医学部附属病院
コントロールパネルの小型化と"私物メガネ"の使用感向上
 花房氏は、ブラザーと共同でメガネタイプの旧モデル(WD-100)を使っての実験を始め、HMDでエコーガイド下バスキュラーアクセス穿刺を行うという目的はおおよそ達成した。しかしWD-100の場合、実用性や使用感で幾つかの課題が見つかった。

 1つはHMDを接続するコントロールパネルのサイズだ。旧モデルでは、HMDに映像を表示させるのに、超音波検査装置からの映像を入力する関連装置の取り付けが必要でかさばるため、取り回しが良くなかった。もう1つは、メガネ型の旧モデルの場合、普段メガネを掛けているスタッフは、メガネを外してHMDを装着しなければならない点である。他にも、エコーを見る際の画質や、手技を行う場所とエコーを見る焦点を同じ距離にするピント調節機能についても向上が求められていた。
旧型による穿刺。使用感向上が求められた出典:東京大学医学部附属病院
旧型のコントロールパネル。バッテリーも別となりかさばっていた
これらのフィードバックを受け、課題点を解決したのがWD-250Aである。HMDと接続するコントロールパネルは、超音波検査装置からの映像を簡単に入力できるように、HDMIとアナログのビデオ端子を搭載した上で、医療電気機器の安全性に関する規格であるIEC-60601-1準拠のACアダプターに対応しながら、小型化に成功した。また、メガネを常用しているユーザーがHMDを利用する際にメガネを外さなくてもいいように単眼式を採用した。解像度は1280×720画素(720p)と、旧モデルの800×600画素(SVGA)より向上しており、ピント調節機能についてもHMDのディスプレイ部前面のダイヤルを使って即座に調整できるような作りに変更された。
「WD-250A」使用イメージ。左側にあるHMDのディスプレイ部に表示されるエコーで血管の正確な位置を確認しながら穿刺を行う 出典:ブラザー工業
花房氏が所属する透析室のスタッフに対して、旧モデルと新モデルについて9つの項目5段階評価で調査を行った。すると、多くの項目で改善が見られた。ただし、唯一画面の大きさについては評価が下がったが、これについては医療用のWD-250Aにのみ搭載した画像拡大機能によって対応したという。
透析室のスタッフに対して行われたアンケート。総合評価が向上 出典:東京大学医学部附属病院
「血液透析以外の用途でも有効」
 花房氏はエアスカウターについて、「血液透析以外の用途でも有効」と述べ、エコーガイド下によって行われる生検や神経ブロックなどを今後の応用例として挙げた。また、今後の開発の方向性として、両手で処置・作業をしつつ、視線の移動を最小限としてあらゆる画面情報を参照する場面での活用も期待されると解説した。
花房氏が解説した今後のエアスカウター応用例 出典:東京大学医学部附属病院
エアスカウターの今後の方向性 出典:東京大学医学部附属病院

記事丸写しにしたら、
あまりにも長ったらしくなっっちまった(汗)

これとセットで使ったら、非常に便利かもね
本来はFMD(血流依存性血管拡張反応)測定に使うやつだけど、
プローブの固定には便利
ただし、お高いんだよね
定価でおよそ100万円也!?(汗)

エコーは以前、うちでも購入した
上記の固定台よりもお安いこれで十分かも(笑)
これらを組み合わせて、
穿刺の三種の神器となるかな?