水銀の血圧計や体温計の使用自粛(規制?)って
随分前から言われていた気がしていたけど、
(オレが医療の世界に足を踏み入れた頃だったような...!?)
製品の製造と輸出入を規制する国際条約、
通称「水俣条約」ってのが発効されたのが
つい最近だったんだねぇ...
水俣条約についてはここ↓をご覧ください
http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/int/mercury.html
下記の記事...ちょっと長いんで、コメントを先に書くけど、
未だに水銀の血圧計や体温計の
保有や使用をしている医療施設って結構あることにビックリ!?
さらに、日本高血圧学会のガイドラインで、
水銀血圧計を用いた聴診法による血圧測定を
未だに推奨していたことにもビックリ!?
近年の医用自動血圧計は精度が上がってきているし、
聴診法ってことで言えば、アネロイド型もある
ちょっと古い情報だけど
3機種を比較した文献はこちら↓
http://ops.umin.ac.jp/ops/paper/061008sumiya_ketuatukei/061008sumiya_ketuatukei.html
他にも最近の機種を使った
比較文献があったような気がするけど
ネットで探せなかったので...(汗)
電子体温計も、予測式と実測式があるけど、
実測式の精度は、かなり良いという印象だけどね...
いずれも医療機器なんで、
臨床工学技士の保守管理の対象
水銀の処理・管理もそうだけど、
各々の精度管理も重要だよね(笑)
それでは、記事をどうぞ!(苦笑)
水銀血圧計・水銀体温計が使えなくなる日
「水銀に関する水俣条約」により2020年以降は処分難渋の予測
日経メディカルオンラインより
東京都医師会が昨年度配布した水銀血圧計・水銀体温計の自主回収に関するチラシ
水銀血圧計、水銀体温計――。多くの医療機関が保有する水銀含有製品の処分費用があと数年で高騰すると予想されている。そのような中、水銀含有製品の低コストでの回収事業が、都道府県医師会を中心に今年度から本格化する。
2020年以降、水銀を使った機器の製造、輸出入が原則禁止される。これは、2013年に採択された「水銀に関する水俣条約」によるもので、同条約は、地球規模の水銀汚染の防止を目指し、水銀の供給、使用、排出、廃棄など各段階で総合的な対策に取り組むことを求めている。
とはいえ、いまだに多くの医療機関が水銀血圧計や水銀体温計を保有している現状がある。
日本医師会(日医)が2015年8月6日~9月11日に実施した郡市区医師会会長または担当理事の診療所を対象にしたアンケート調査では、回答した577診療所(回収率70.8%)において水銀血圧計1362台、水銀体温計2441本が保有されていた。全国における診療所の総数が約10万施設であることから、単純計算すると、国内の診療所には、水銀血圧計が約23万6000台、水銀体温計は約42万3000本、保有されている可能性がある。さらに病院で保有されている数も含めると膨大な数の水銀含有製品が医療機関に存在しそうだ。
水銀含有製品の回収が本格化
この水銀含有製品を、都道府県医師会が中心となり回収する事業が今年度から本格化する。
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部は、今年3月、都道府県医師会を事業実施単位とし、郡市区医師会などを回収単位として実施することなどを示した「医療機関に退蔵されている水銀血圧計等回収マニュアル」を公開。環境省による同マニュアルに沿って、全国の都道府県医師会が主体となり、地区ごとに回収事業を進めることになっている。「医療機関の大小を問わず、診療所から大学病院まで幅広い医療機関からの回収を受け入れたい」と日医の担当者は話す。
現時点では、主に海外で水銀を使用した製品がいまだに製造されている。そのため、廃棄物に含まれる水銀の多くは回収された後に有価物として輸出されることが多い。しかし、水俣条約の発効とともに水銀含有製品の製造、輸出入が禁止されると、回収した水銀の需要がなくなるため、処理コストが高騰すると考えられている。また、個々の医療機関が個別に産業廃棄物として処分しようとすると、少量での収集運搬・処分となり、現時点でも処理コストは割高となっている。日医の担当者によると、医療機関が個別に処分する場合、水銀血圧計は1台当たり数万円のコストが掛かるという。
これを、集中的かつ効率的に回収できれば、処理コストを抑えることができる。医師会による回収では、血圧計1台当たり2000円程度の処理費用で回収できるという。環境省も日医も、回収事業は1~2年という短期間で完了させたい考えだ。日医は、基本的に会員を対象に回収事業を進める計画だが、非会員であっても都道府県医師会単位で受け入れを検討するとしている。
実は既に、水銀含有医療機器の回収事業が進んでいる都道府県もある。東京都医師会は、先駆的に2012年度から回収事業を開始し、これまでに水銀血圧計7417台(2012年度2592台、2013年度1557台、2014年度1513台、2015年度1755台)、水銀体温計8664本(同4378本、2002本、1438本、846本)を回収している。今年度も昨年同様、9月1~30日の1カ月間、回収事業を実施する計画だ。
東京都医師会による回収事業では、所属する地区医師会に会員が廃棄を希望する水銀血圧計や水銀体温計を持参し、処分料を地区医師会に支払う。東京都医師会が定める処分料は、医師会会員の場合は水銀血圧計2160円/台、水銀体温計1080円/本だ。非会員からの回収も受け付けているが、処分料は会員の2倍となっている(水銀血圧計4320円/台、水銀体温計2160円/本)。また、非会員に対しては東京都医師会事務局への持参を求めている。
日本医師会によると、大阪府医師会や静岡県医師会・静岡県医師協同組合も昨年度、回収事業を実施している。
水銀血圧計に代わる血圧計は?
日医のアンケート調査では、回答した診療所が保有していた血圧計の38%を水銀血圧計が占めており(図1)、うち76%が使用されていた。一方、体温計に関しては、診療所が保有している体温計の31%を水銀体温計が占めていたが(図2)、使用されていたのは34%のみで、6割強は使用されていなかった。
このように現在も多くの医療現場で水銀血圧計が使用されていることから、条約発効による現場の混乱が懸念される。そのため日本高血圧学会は、学術委員会の下に「水銀に関する水俣条約と水銀血圧計についてのワーキング」グループを設け、昨年6月、「水銀血圧計の使用と水銀血圧計に代わる血圧計について」と題した報告書を発表。
水銀血圧計の使用について、「通常の取扱いでは、ほとんど環境負荷なく高精度な血圧測定が可能であり、現在使用している水銀血圧計について、直ちに廃棄・交換を行う必要はない」としつつも、定期的なメンテナンスを行うことを推奨。今後、新たに水銀血圧計を導入しないことを推奨した。
加えて、水銀血圧計の代替として、「医用(医療機関で測定するため)の上腕式電子血圧計」を推奨。大阪大学老年・総合内科学教授の楽木宏実氏は、「将来的に精度検定に関する情報公開が望まれるが、医用とされる血圧計について基本的に日常診療上は問題なく使える」と語る。加えて、「個人的には、近い将来、水銀血圧計の廃棄に困るかもしれないので、できることなら今、廃棄した方がいいと思う」とも言う。
同報告書によると、現在、日本高血圧学会のガイドライン(JSH 2014)は、水銀血圧計を用いた聴診法による血圧測定を推奨しているが、条約発効に合わせて、ガイドラインの改訂を検討する予定だ。
随分前から言われていた気がしていたけど、
(オレが医療の世界に足を踏み入れた頃だったような...!?)
製品の製造と輸出入を規制する国際条約、
通称「水俣条約」ってのが発効されたのが
つい最近だったんだねぇ...
水俣条約についてはここ↓をご覧ください
http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/int/mercury.html
未だに水銀の血圧計や体温計の
保有や使用をしている医療施設って結構あることにビックリ!?
さらに、日本高血圧学会のガイドラインで、
水銀血圧計を用いた聴診法による血圧測定を
未だに推奨していたことにもビックリ!?
近年の医用自動血圧計は精度が上がってきているし、
聴診法ってことで言えば、アネロイド型もある
ちょっと古い情報だけど
3機種を比較した文献はこちら↓
http://ops.umin.ac.jp/ops/paper/061008sumiya_ketuatukei/061008sumiya_ketuatukei.html
他にも最近の機種を使った
比較文献があったような気がするけど
ネットで探せなかったので...(汗)
電子体温計も、予測式と実測式があるけど、
実測式の精度は、かなり良いという印象だけどね...
いずれも医療機器なんで、
臨床工学技士の保守管理の対象
水銀の処理・管理もそうだけど、
各々の精度管理も重要だよね(笑)
それでは、記事をどうぞ!(苦笑)
水銀血圧計・水銀体温計が使えなくなる日
「水銀に関する水俣条約」により2020年以降は処分難渋の予測
日経メディカルオンラインより
東京都医師会が昨年度配布した水銀血圧計・水銀体温計の自主回収に関するチラシ
水銀血圧計、水銀体温計――。多くの医療機関が保有する水銀含有製品の処分費用があと数年で高騰すると予想されている。そのような中、水銀含有製品の低コストでの回収事業が、都道府県医師会を中心に今年度から本格化する。
2020年以降、水銀を使った機器の製造、輸出入が原則禁止される。これは、2013年に採択された「水銀に関する水俣条約」によるもので、同条約は、地球規模の水銀汚染の防止を目指し、水銀の供給、使用、排出、廃棄など各段階で総合的な対策に取り組むことを求めている。
とはいえ、いまだに多くの医療機関が水銀血圧計や水銀体温計を保有している現状がある。
日本医師会(日医)が2015年8月6日~9月11日に実施した郡市区医師会会長または担当理事の診療所を対象にしたアンケート調査では、回答した577診療所(回収率70.8%)において水銀血圧計1362台、水銀体温計2441本が保有されていた。全国における診療所の総数が約10万施設であることから、単純計算すると、国内の診療所には、水銀血圧計が約23万6000台、水銀体温計は約42万3000本、保有されている可能性がある。さらに病院で保有されている数も含めると膨大な数の水銀含有製品が医療機関に存在しそうだ。
東京都医師会が昨年度配布した水銀血圧計・水銀体温計の自主回収に関するチラシ |
この水銀含有製品を、都道府県医師会が中心となり回収する事業が今年度から本格化する。
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部は、今年3月、都道府県医師会を事業実施単位とし、郡市区医師会などを回収単位として実施することなどを示した「医療機関に退蔵されている水銀血圧計等回収マニュアル」を公開。環境省による同マニュアルに沿って、全国の都道府県医師会が主体となり、地区ごとに回収事業を進めることになっている。「医療機関の大小を問わず、診療所から大学病院まで幅広い医療機関からの回収を受け入れたい」と日医の担当者は話す。
現時点では、主に海外で水銀を使用した製品がいまだに製造されている。そのため、廃棄物に含まれる水銀の多くは回収された後に有価物として輸出されることが多い。しかし、水俣条約の発効とともに水銀含有製品の製造、輸出入が禁止されると、回収した水銀の需要がなくなるため、処理コストが高騰すると考えられている。また、個々の医療機関が個別に産業廃棄物として処分しようとすると、少量での収集運搬・処分となり、現時点でも処理コストは割高となっている。日医の担当者によると、医療機関が個別に処分する場合、水銀血圧計は1台当たり数万円のコストが掛かるという。
これを、集中的かつ効率的に回収できれば、処理コストを抑えることができる。医師会による回収では、血圧計1台当たり2000円程度の処理費用で回収できるという。環境省も日医も、回収事業は1~2年という短期間で完了させたい考えだ。日医は、基本的に会員を対象に回収事業を進める計画だが、非会員であっても都道府県医師会単位で受け入れを検討するとしている。
実は既に、水銀含有医療機器の回収事業が進んでいる都道府県もある。東京都医師会は、先駆的に2012年度から回収事業を開始し、これまでに水銀血圧計7417台(2012年度2592台、2013年度1557台、2014年度1513台、2015年度1755台)、水銀体温計8664本(同4378本、2002本、1438本、846本)を回収している。今年度も昨年同様、9月1~30日の1カ月間、回収事業を実施する計画だ。
東京都医師会による回収事業では、所属する地区医師会に会員が廃棄を希望する水銀血圧計や水銀体温計を持参し、処分料を地区医師会に支払う。東京都医師会が定める処分料は、医師会会員の場合は水銀血圧計2160円/台、水銀体温計1080円/本だ。非会員からの回収も受け付けているが、処分料は会員の2倍となっている(水銀血圧計4320円/台、水銀体温計2160円/本)。また、非会員に対しては東京都医師会事務局への持参を求めている。
日本医師会によると、大阪府医師会や静岡県医師会・静岡県医師協同組合も昨年度、回収事業を実施している。
水銀血圧計に代わる血圧計は?
日医のアンケート調査では、回答した診療所が保有していた血圧計の38%を水銀血圧計が占めており(図1)、うち76%が使用されていた。一方、体温計に関しては、診療所が保有している体温計の31%を水銀体温計が占めていたが(図2)、使用されていたのは34%のみで、6割強は使用されていなかった。
図1 水銀血圧計に関するアンケート調査の結果(日医による、図2とも) |
図2 水銀体温計に関するアンケート調査の結果 |
水銀血圧計の使用について、「通常の取扱いでは、ほとんど環境負荷なく高精度な血圧測定が可能であり、現在使用している水銀血圧計について、直ちに廃棄・交換を行う必要はない」としつつも、定期的なメンテナンスを行うことを推奨。今後、新たに水銀血圧計を導入しないことを推奨した。
加えて、水銀血圧計の代替として、「医用(医療機関で測定するため)の上腕式電子血圧計」を推奨。大阪大学老年・総合内科学教授の楽木宏実氏は、「将来的に精度検定に関する情報公開が望まれるが、医用とされる血圧計について基本的に日常診療上は問題なく使える」と語る。加えて、「個人的には、近い将来、水銀血圧計の廃棄に困るかもしれないので、できることなら今、廃棄した方がいいと思う」とも言う。
同報告書によると、現在、日本高血圧学会のガイドライン(JSH 2014)は、水銀血圧計を用いた聴診法による血圧測定を推奨しているが、条約発効に合わせて、ガイドラインの改訂を検討する予定だ。
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