今日の中医協2022 〜慢性維持透析に係る評価について〜

2021年12月3日金曜日

お仕事 時事ネタ

透析施設でお勤めの方々お待ちかねの、
人工透析に関する診療報酬の議論が始まったね

資料はこちら
https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000861987.pdf

...毎度改定のたびに落ち目の透析で、
働いている者にとって、
少しでもやりがいの感じられる改定となるのか?

今回の中医協で、
慢性維持透析についての論点として
挙げられたのは以下の5項目

  1. 日本における腎移植の現状を踏まえ、慢性腎臓病の患者に対し、移植を含めた腎代替療法に関する情報提供をより推進するという観点から、人工腎臓に係る評価の在り方について、どのように考えるか。
  2.  有床診療所の入院患者に占める透析患者の割合が増えていることを踏まえつつ、有床診療所療養病床入院基本料を算定する病床において透析を実施した場合の評価の在り方についてどのように考えるか。
  3.  人工腎臓においては、使用薬剤は包括評価としているが、HIF-PH阻害剤を用いる場合の評価の在り方について、その使用実態も踏まえつつ、どのように考えるか。
  4.  在宅腹膜灌流に係る遠隔モニタリングによる管理の評価の在り方について、どのように考えるか。
  5. 在宅血液透析の生命予後、実施状況や導入に係る医療資源等を踏まえつつ、在宅血液透析指導管理料の評価について、どのように考えるか。


「1.」については...

腎移植は透析と比較して生命予後を改善するが、腎移植の件数や献腎登録者数の数は限定的であり、移植を含めた腎代替療法に関する情報提供をより推進する必要があり、腎代替療法の選択を推進し、透析移植患者のADL,QOL向上を目指すことを目的に腎代替療法専門指導士の養成のしくみが開始された。
...と、

腎代替医療専門職推進協会
「腎代替療法専門指導士」が
はっきりと議題に挙がっている!?

「腎代替療法専門指導士」って
随分前に日臨工からもアナウンスのあった、
認定血液浄化臨床工学技士 or 血液浄化専門臨床工学技士を持ってたら
取得可能となる予定のあれね(笑)
ようやく中医協の議論のテーブルに載ったかな?
点数が付くのは「導入期加算」の1と2
現状の施設基準は...

[導入期加算1]

 関連学会の作成した資料又はそれらを参考に作成した 資料に基づき、患者毎の適応に応じて、腎代替療法に ついて、患者に対し十分な説明を行うこと

[導入期加算2]
  1.  在宅自己腹膜灌流指導管理料を過去1年間で 12 回以上算定していること
  2. 腎移植について、患者の希望に応じて適切に相談に応じており、かつ、腎移植に向けた手続きを 行った患者が過去2年で1人以上いること
  3. 導入期加算1の施設基準を満たしていること

今回の改定で検討されているのは...
比較的と簡単な導入期加算1と、
PDや移植を積極的に行っているような
限られた施設が請求できる
導入期加算2との点数の差を
さらに広げてみたり...

「腎代替療法指導管理料」なるものを新設してみたり!?
もしかして、「腎代替療法専門指導士」の活用!?

しか〜し、
想定される施設基準には...

「5年以上看護師として医療に従事し、腎臓病患者の看護について3年以上の経験を有する専任の常勤看護師

...だって orz

これって、看護師しかダメなの?(悲)


お次は「2.」について...

有床診療所療養病床入院基本料の算定件数に対する
人工腎臓等の算定割合が増えてるから
どう評価しようか?とな...

有床診療所療養病床入院基本料の算定件数に占める有床診療所療養病床入院基本料を算定する患者であって人工腎臓等を算定している患者の割合は増加している。

病棟での処置なんかが増えても
マルメな!的な?
それでもないよりはマシ(苦笑)

お次は「3.」ね

要はマルメの外来透析において
院外処方なら出来高となる
「エベレンゾ錠(HIF-PHD阻害薬)」は、
院内処方ならマルメと煩雑になる

療養病床入院基本料を算定している患者がいるなど
さらにややこしいくなるから
全部一律マルメにしたら?...というようなニュアンス?(苦笑)

人工腎臓に係る評価については、院外処方が可能なHIF-PH阻害剤が使用可能となったことを踏まえ、評価を区別することとしたところであ るが、HIF-PH阻害剤を院外処方している患者以外の患者(HIF-PH阻害剤(院内処方されたもの)又はその他の薬剤を使用される患者)に係 る所定点数の算定が、どの類型においてもほとんどが「別に規定する患者」 であった。


次は「4.」

腹膜透析は血液透析と比較して、
腎移植ほどじゃなくとも
生活の制約や食事・飲水の制限が少なく、
自由度が高いから増やそうぜ!...ってことね(笑)

腹膜透析患者は、増加傾向にあるものの、透析患者全体の2.9%である。腹膜透析患者に対する遠隔モニタリングを実施することで医療資 源の減少や治療改善効果が得られることが報告されている。

しかも、遠隔モニタリングなんかしちゃったら
評価するよ的な?(笑)

なんか、これ受講しといた方が良さげね(笑)

最後に「5.」

在宅血液透析は、
導入(教育)に時間と負担が大きい

在宅血液透析(HHD: Home hemodialysis)の割合は、諸外国と比較しても非常に少ないが、QOLに優れ、生命予後は施設血液透析よりも優れる。一方で、患者訓練等を行う必要性から、半年以上の時間をかけて開始前に準備を行うことが一般的であり、医療スタッフの負担は非常に大きい。


ここんとこを評価してくれそうな雰囲気?(笑)


こんだけ新し目なモノをチラつかせているけど、
処置料と薬価(材料含む)は
相変わらず下げられるんだろうな(苦笑)

今後は施設間の差別化が進むような
診療報酬改定(施設基準の新設)がなされるかもな(汗)