豪雨の災害…呼ばれなければ行けないもどかしさ
日経メディカルオンライン
2018/7/12 薬師寺 泰匡(岸和田徳洲会病院救命救急センター)
先週末から日本各地で豪雨が降り注ぎ、大雨による土砂災害、川の氾濫による洪水などが起こっています。
奇しくも、アルミ工場の爆発事故が起こった岡山県総社市は僕の故郷です。生まれは東京だし、高校卒業後は各地を転々としているので生粋の岡山人とはいえないのかもしれませんが、今も両親はじめ家族がそこで生活しています。
小・中学校や高校の同級生が災害に巻き込まれる姿をSNSで見かけ、切ない気持ちになっていました。
特に、今回の集中豪雨で水没した真備町を中心に、周辺には多数の友人宅があり、完全に自宅が水没してしまったという声もたくさん届いています。
もしかしたらDMATとして出動するかもしれないと思い、身構えていたのですが、中国地方ないし隣接のDMATでまかなわれたようです。
基本的に、DMATは被災都道府県の要請で動きます。
要請されなければ出動しませんし、勝手に動けばむしろ混乱を生むので、お達しに従います。
そういうわけで、「できることがあればしたい」という気持ちだけが募ることになります。
自分が行きたい時に行くのがDMATではなく、必要に応じて派遣されるのがDMATです。
当たり前のことではあるのですが、今回、もどかしさとともにそのことを痛感しました。
DMAT以外にできることは
基本的にDMATは縁の下の力持ちですから、どこの組織から誰が派遣されたかといったことが公になることはないと思います。
ただ、救急医の友人たちのSNSから各地で活躍してくれている姿が見えてきて、励まされます。
自分も別ルートで何かできることを探さなくてはと思います。
こうした災害時、遠くからできることは限られていますが、必要十分なことをしなくては被災地にかえって負担を強いることになるので、注意が必要です。
例えば、支援物資を呼びかける市民団体があります。
行政と適切に連携を取っていれば良いのですが、そうでない場合は、全国から次々と送られてきた物資が分配されないまま積み上げられ、通行の邪魔になるといったことも発生しています。
募金も、信頼がおける団体や行政窓口にしなくては、被災者に届かない可能性もあります。こんな時になんということをするのかと思いますが、募金詐欺が発生する可能性も否定できず、悲しい気持ちになります。
情報がまだまだ統合されておらず、何がどれだけ不足しているのかという実情を把握するのにすら時間がかかるので、発災直後における心構えとして、一つ提案しておきます。
「応援する気持ちを持ち続けること」
喉元過ぎれば……とはよくいわれますが、すさまじい速度で復興する部分がある反面、爪痕が残り続ける部分もあります。
災害からの復興というのは当事者と外野にギャップが生まれる部分があるところだと思います。
この場でふるさと納税を推奨するのもどうかと思いますが、せっかくどこかに納税するなら被災地を思い出してくれたり、旅行先に被災地を選んでみたりという応援を長年続けると、喜ばれるのではないかと思います。
行動に移すときの注意
はやる気持ちをそのまま行動に移してくれた人々もたくさんおります。
僕は医療従事者なので、そういう人たちの安全も気になるところです。
先日、雨が上がったその日に、地元中高生のボランティアが崩れた家屋の掃除などをする様子をSNSで目にしました。
そこで気になったのは、Tシャツに短パン、スニーカーというボランティアの服装でした。
ぬかるみに足を取られたら大変ですし、瓦礫などで四肢に怪我を負う可能性もあります。
中高生であれば破傷風のワクチンを定期接種しているはずなので大丈夫!とはなりません。
下水まで湧き出ている状況下ですので、なるべく皮膚が傷つきにくい格好が良いと思います。
破傷風のワクチンを追加接種していない成人は余計に注意しなくてはなりません。
ただし、7月の猛暑のなかの作業です。
熱中症にも気をつけなくてはなりません。
助けに行った自分が助けられる側にならないことは最も重要なことだと思います。
これは自分の家や勤務先の掃除をするときにも同じことが言えますので、作戦「いのちだいじに」で乗り切ってほしいと思います。
とりあえず
個人的には、現時点で友人に提供できる物資をリストアップして送りつつ、少ないながら金銭面でしかるべきルートに援助しようと考えています。
先は長い。
事が起きると、
「何かしなくては!?」「何かできないか?」と
気持ちが逸ってしまう(汗)
でも、実際には一人で何ができるんだろう...???
独りよがりで勝手に現地に向かったところで、
押し売り状態になるだけ
自分の仕事を放っぽり出して出かければ、
職場はどうなる?
強い正義感だけでは、
多方面に迷惑しかかけないということを理解せねばね
支援って、公に名前を売るために行うことではないんだし、
混乱した現地(被災地)とは違い、
落ち着いて冷静に情報を収集できるんだから、
それらに目をやりながら、応援する気持ちを
些細なことでも、今できることを考え
できることだけ実行すれば良い...焦る必要はまったくない
募金や支援物資は、トラブルにならないよう
公式な団体経由で行いましょう!
ボランティアや医療支援などは、
情報収集活動から支援要員のとりまとめを行っている
団体・組織に登録して、指示に従いましょう!
JHATの支援要員登録を済ませ、
指示待ちだけど、
復興が長引かなければ、
わざわざ北海道みたいな遠方から呼ばれることはないかもな
(派遣費用は、寄付で賄われるわけだし...)
でも、その日が来るまでできることといえば、
情報収集と
現地への移動や実際の業務のシュミレーションかな
公共の交通機関で、
ゆったりと向かうことなんかできるわけもないし、
いきなり知らない施設に行ったって、
手順一つ違うわけなので、
現勤務施設では超ベテランでも、
いきなり活躍できるわけもないし...(汗)
災害対応で現場が混乱している最中に、
「手順を教えて下さーい」「指示下さーい」なんて
のんびりした事言ってたら、
迷惑かかるだけ(怒)
状況を見ながら、何ができるか、
何をお手伝いするか、考えておかないとね
実際に自分が現地に行けなくても、
それを役立ててもらうこともできると思うし...
何にしても、自ら活躍できなくても
(応援する)気持ちが大事なんだと思うよ(笑)
日経メディカルオンライン
2018/7/12 薬師寺 泰匡(岸和田徳洲会病院救命救急センター)
先週末から日本各地で豪雨が降り注ぎ、大雨による土砂災害、川の氾濫による洪水などが起こっています。
奇しくも、アルミ工場の爆発事故が起こった岡山県総社市は僕の故郷です。生まれは東京だし、高校卒業後は各地を転々としているので生粋の岡山人とはいえないのかもしれませんが、今も両親はじめ家族がそこで生活しています。
小・中学校や高校の同級生が災害に巻き込まれる姿をSNSで見かけ、切ない気持ちになっていました。
特に、今回の集中豪雨で水没した真備町を中心に、周辺には多数の友人宅があり、完全に自宅が水没してしまったという声もたくさん届いています。
もしかしたらDMATとして出動するかもしれないと思い、身構えていたのですが、中国地方ないし隣接のDMATでまかなわれたようです。
基本的に、DMATは被災都道府県の要請で動きます。
要請されなければ出動しませんし、勝手に動けばむしろ混乱を生むので、お達しに従います。
そういうわけで、「できることがあればしたい」という気持ちだけが募ることになります。
自分が行きたい時に行くのがDMATではなく、必要に応じて派遣されるのがDMATです。
当たり前のことではあるのですが、今回、もどかしさとともにそのことを痛感しました。
DMAT以外にできることは
基本的にDMATは縁の下の力持ちですから、どこの組織から誰が派遣されたかといったことが公になることはないと思います。
ただ、救急医の友人たちのSNSから各地で活躍してくれている姿が見えてきて、励まされます。
自分も別ルートで何かできることを探さなくてはと思います。
こうした災害時、遠くからできることは限られていますが、必要十分なことをしなくては被災地にかえって負担を強いることになるので、注意が必要です。
例えば、支援物資を呼びかける市民団体があります。
行政と適切に連携を取っていれば良いのですが、そうでない場合は、全国から次々と送られてきた物資が分配されないまま積み上げられ、通行の邪魔になるといったことも発生しています。
募金も、信頼がおける団体や行政窓口にしなくては、被災者に届かない可能性もあります。こんな時になんということをするのかと思いますが、募金詐欺が発生する可能性も否定できず、悲しい気持ちになります。
情報がまだまだ統合されておらず、何がどれだけ不足しているのかという実情を把握するのにすら時間がかかるので、発災直後における心構えとして、一つ提案しておきます。
「応援する気持ちを持ち続けること」
喉元過ぎれば……とはよくいわれますが、すさまじい速度で復興する部分がある反面、爪痕が残り続ける部分もあります。
災害からの復興というのは当事者と外野にギャップが生まれる部分があるところだと思います。
この場でふるさと納税を推奨するのもどうかと思いますが、せっかくどこかに納税するなら被災地を思い出してくれたり、旅行先に被災地を選んでみたりという応援を長年続けると、喜ばれるのではないかと思います。
行動に移すときの注意
はやる気持ちをそのまま行動に移してくれた人々もたくさんおります。
僕は医療従事者なので、そういう人たちの安全も気になるところです。
先日、雨が上がったその日に、地元中高生のボランティアが崩れた家屋の掃除などをする様子をSNSで目にしました。
そこで気になったのは、Tシャツに短パン、スニーカーというボランティアの服装でした。
ぬかるみに足を取られたら大変ですし、瓦礫などで四肢に怪我を負う可能性もあります。
中高生であれば破傷風のワクチンを定期接種しているはずなので大丈夫!とはなりません。
下水まで湧き出ている状況下ですので、なるべく皮膚が傷つきにくい格好が良いと思います。
破傷風のワクチンを追加接種していない成人は余計に注意しなくてはなりません。
ただし、7月の猛暑のなかの作業です。
熱中症にも気をつけなくてはなりません。
助けに行った自分が助けられる側にならないことは最も重要なことだと思います。
これは自分の家や勤務先の掃除をするときにも同じことが言えますので、作戦「いのちだいじに」で乗り切ってほしいと思います。
とりあえず
個人的には、現時点で友人に提供できる物資をリストアップして送りつつ、少ないながら金銭面でしかるべきルートに援助しようと考えています。
先は長い。
事が起きると、
「何かしなくては!?」「何かできないか?」と
気持ちが逸ってしまう(汗)
でも、実際には一人で何ができるんだろう...???
独りよがりで勝手に現地に向かったところで、
押し売り状態になるだけ
自分の仕事を放っぽり出して出かければ、
職場はどうなる?
強い正義感だけでは、
多方面に迷惑しかかけないということを理解せねばね
支援って、公に名前を売るために行うことではないんだし、
混乱した現地(被災地)とは違い、
落ち着いて冷静に情報を収集できるんだから、
それらに目をやりながら、応援する気持ちを
些細なことでも、今できることを考え
できることだけ実行すれば良い...焦る必要はまったくない
募金や支援物資は、トラブルにならないよう
公式な団体経由で行いましょう!
ボランティアや医療支援などは、
情報収集活動から支援要員のとりまとめを行っている
団体・組織に登録して、指示に従いましょう!
JHATの支援要員登録を済ませ、
指示待ちだけど、
復興が長引かなければ、
わざわざ北海道みたいな遠方から呼ばれることはないかもな
(派遣費用は、寄付で賄われるわけだし...)
でも、その日が来るまでできることといえば、
情報収集と
現地への移動や実際の業務のシュミレーションかな
公共の交通機関で、
ゆったりと向かうことなんかできるわけもないし、
いきなり知らない施設に行ったって、
手順一つ違うわけなので、
現勤務施設では超ベテランでも、
いきなり活躍できるわけもないし...(汗)
災害対応で現場が混乱している最中に、
「手順を教えて下さーい」「指示下さーい」なんて
のんびりした事言ってたら、
迷惑かかるだけ(怒)
状況を見ながら、何ができるか、
何をお手伝いするか、考えておかないとね
実際に自分が現地に行けなくても、
それを役立ててもらうこともできると思うし...
何にしても、自ら活躍できなくても
(応援する)気持ちが大事なんだと思うよ(笑)
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