血圧測定、「長袖の上からカフ」は不適
裸腕より収縮期血圧が平均3.8mmHg高値に、外来・デイサービスの200人を対象とした試験で判明
日経メディカルオンラインより
血圧測定時にカフを長袖の服の上に直接巻いたり、あるいは袖をひじの高さまでまくり上げた状態でカフを巻いて測定すると、裸腕にカフを巻いて測定した血圧値よりも約4mmHg高く測定されることが分かった。裸腕での収縮期血圧測定値との誤差が±4mmHg以内だった被験者の割合は、袖を伸ばしたままの測定では33.5%、袖をまくっての測定では26.0%だったという。外来患者やデイサービス利用者200人を対象に自動血圧計を用いて実施した試験の結果で、筑波大学附属病院総合臨床教育センター・総合診療科の小曽根早知子氏らが、6月13~14日に茨城県つくば市で開催された第6回プライマリ・ケア連合学会学術大会で報告した。
血圧測定は、上着を脱ぐか袖を肩までまくり上げて、裸腕の状態で行うべきとされる。しかし、特に高齢者では重ね着をしていることが多く、時間的・手間的な理由から袖の上からカフを巻くなどの測定法が実施されることが多いが、測定値の誤差がどの程度生じるかは十分に検討されていなかった。
小曽根氏らは、2014年7~9月に筑波大学附属病院総合診療科や利根町国保診療所の外来を受診した患者と、同診療所近郊にある介護老人保健施設のデイサービス利用者に、試験への協力を依頼。同意が得られた200人(平均年齢74.6歳、男性38.5%、高血圧治療中63.5%)を対象に、自動血圧計を用いて以下の3通りの方法で血圧を測定し、測定方法間の血圧値の違いを分析した。
測定方法は、(1)裸腕での測定(裸腕法)、(2)着衣の袖を伸ばした上からの測定(袖法)、(3)袖をひじまでまくり上げた上からの測定(袖まくり法)──の3通り。(3)の袖まくり法は、肘関節の屈側に聴診器を当てる血圧測定法に慣れた患者では、ひじまで衣類をまくり、分厚くなった衣類の周りにマンシェットを巻く人がいるため、それを再現したものだという。袖法、袖まくり法には、小曽根氏が用意したウール70%の長袖のカーディガンを用いた。測定は各法とも3回ずつ、計9回行い、各測定方法での3回の平均値をその方法での測定値とした。被験者の安静を保つため、各測定方法間でのカーディガン着脱は小曽根氏が行った。測定方法の実施順も被験者ごとに変えて、実施順による影響が出ないようにした。
その結果、袖法、袖まくり法のどちらも、裸腕法より血圧測定値が有意に高値となることが判明。収縮期血圧は裸腕法での平均測定値が128.7mmHgなのに対し、袖法では132.5mmHgと有意に高く、袖まくり法でも133.1mmHgと裸腕法より高くなった(いずれもP<0.001)。拡張期血圧でも結果は同様で、裸腕法の平均測定値(68.0mmHg)を袖法(73.0mmHg)、袖まくり法(74.8mmHg)が有意に上回った(いずれもP<0.001)。
ただし、袖法や袖まくり法による誤差には個人差があり、血圧が低く測定される被験者も少なくなかった。臨床的に許容できる誤差とされる、±4mmHgの範囲の差に収まった被験者の割合は、袖法では33.5%、袖まくり法では26.0%だった。
以上から小曽根氏は「長袖の着衣の袖を伸ばしたまま、あるいは袖をひじまでまくった上からの血圧測定では、3割程度の人でしか正確な血圧値が得られない。正確に血圧を測定したい場合は、やはり裸腕で測定すべき」と述べた。
透析室での血圧測定は、ほとんどの場合、
臥位で測定していることと、
診察室(白衣性)高血圧同様、
緊張状態にあることも考えると
正確な値とは言えないよね
透析中の血圧測定の意義は、
高血圧の診断や降圧治療の指標にするためではなく、
透析中の状態変化を察知することを目的としていて、
血圧値の高低よりも、
血圧変動の推移を比較しているにすぎない(はず)
だからと言って、適当に測って良いわけではなく、
マンシェットの巻き方など測定者の手技の違いで、
値が大きく変わることもあるので、
変動推移の比較対象としての
信ぴょう性に欠けてしまっては元も子もない
袖の上からマンシェットを巻かないなんて、
基本中の基本のはずなんだけど、
業務の簡素化が優先されてか、
袖まくりせず、そのまま測っているのをよく見かける(汗)
わざわざ袖を綺麗に伸ばして巻いているスタッフもいるし...(苦笑)
たまに「他人の肌に触れたものはイヤ」と
袖まくりを拒否する患者さんもいるけどね...
患者さんの入れ替わりのたびに、
消毒薬含浸ワイプで拭いてるんだけどな(汗)
前述の記事からすると、
袖まくりも誤差が大きいらしいんで、
患者さんには袖口の緩い
半袖を着てきてもらうのがベストなんだろうな...
寒いっ!って文句言われそう(汗)
他にも、マンシェットが緩かったり、
動脈のポイントからズレていたり、
腕を曲げてたり捻っていたり、
腕の太さに合わないサイズのマンシェットを使ってたり、
減圧が速すぎたり(手動の場合)等々...
今一度、基本に立ち返って見なおしてみましょう(笑)
裸腕より収縮期血圧が平均3.8mmHg高値に、外来・デイサービスの200人を対象とした試験で判明
日経メディカルオンラインより
血圧測定時にカフを長袖の服の上に直接巻いたり、あるいは袖をひじの高さまでまくり上げた状態でカフを巻いて測定すると、裸腕にカフを巻いて測定した血圧値よりも約4mmHg高く測定されることが分かった。裸腕での収縮期血圧測定値との誤差が±4mmHg以内だった被験者の割合は、袖を伸ばしたままの測定では33.5%、袖をまくっての測定では26.0%だったという。外来患者やデイサービス利用者200人を対象に自動血圧計を用いて実施した試験の結果で、筑波大学附属病院総合臨床教育センター・総合診療科の小曽根早知子氏らが、6月13~14日に茨城県つくば市で開催された第6回プライマリ・ケア連合学会学術大会で報告した。
血圧測定は、上着を脱ぐか袖を肩までまくり上げて、裸腕の状態で行うべきとされる。しかし、特に高齢者では重ね着をしていることが多く、時間的・手間的な理由から袖の上からカフを巻くなどの測定法が実施されることが多いが、測定値の誤差がどの程度生じるかは十分に検討されていなかった。
小曽根氏らは、2014年7~9月に筑波大学附属病院総合診療科や利根町国保診療所の外来を受診した患者と、同診療所近郊にある介護老人保健施設のデイサービス利用者に、試験への協力を依頼。同意が得られた200人(平均年齢74.6歳、男性38.5%、高血圧治療中63.5%)を対象に、自動血圧計を用いて以下の3通りの方法で血圧を測定し、測定方法間の血圧値の違いを分析した。
測定方法は、(1)裸腕での測定(裸腕法)、(2)着衣の袖を伸ばした上からの測定(袖法)、(3)袖をひじまでまくり上げた上からの測定(袖まくり法)──の3通り。(3)の袖まくり法は、肘関節の屈側に聴診器を当てる血圧測定法に慣れた患者では、ひじまで衣類をまくり、分厚くなった衣類の周りにマンシェットを巻く人がいるため、それを再現したものだという。袖法、袖まくり法には、小曽根氏が用意したウール70%の長袖のカーディガンを用いた。測定は各法とも3回ずつ、計9回行い、各測定方法での3回の平均値をその方法での測定値とした。被験者の安静を保つため、各測定方法間でのカーディガン着脱は小曽根氏が行った。測定方法の実施順も被験者ごとに変えて、実施順による影響が出ないようにした。
その結果、袖法、袖まくり法のどちらも、裸腕法より血圧測定値が有意に高値となることが判明。収縮期血圧は裸腕法での平均測定値が128.7mmHgなのに対し、袖法では132.5mmHgと有意に高く、袖まくり法でも133.1mmHgと裸腕法より高くなった(いずれもP<0.001)。拡張期血圧でも結果は同様で、裸腕法の平均測定値(68.0mmHg)を袖法(73.0mmHg)、袖まくり法(74.8mmHg)が有意に上回った(いずれもP<0.001)。
ただし、袖法や袖まくり法による誤差には個人差があり、血圧が低く測定される被験者も少なくなかった。臨床的に許容できる誤差とされる、±4mmHgの範囲の差に収まった被験者の割合は、袖法では33.5%、袖まくり法では26.0%だった。
以上から小曽根氏は「長袖の着衣の袖を伸ばしたまま、あるいは袖をひじまでまくった上からの血圧測定では、3割程度の人でしか正確な血圧値が得られない。正確に血圧を測定したい場合は、やはり裸腕で測定すべき」と述べた。
透析室での血圧測定は、ほとんどの場合、
臥位で測定していることと、
診察室(白衣性)高血圧同様、
緊張状態にあることも考えると
正確な値とは言えないよね
透析中の血圧測定の意義は、
高血圧の診断や降圧治療の指標にするためではなく、
透析中の状態変化を察知することを目的としていて、
血圧値の高低よりも、
血圧変動の推移を比較しているにすぎない(はず)
だからと言って、適当に測って良いわけではなく、
マンシェットの巻き方など測定者の手技の違いで、
値が大きく変わることもあるので、
変動推移の比較対象としての
信ぴょう性に欠けてしまっては元も子もない
袖の上からマンシェットを巻かないなんて、
基本中の基本のはずなんだけど、
業務の簡素化が優先されてか、
袖まくりせず、そのまま測っているのをよく見かける(汗)
わざわざ袖を綺麗に伸ばして巻いているスタッフもいるし...(苦笑)
たまに「他人の肌に触れたものはイヤ」と
袖まくりを拒否する患者さんもいるけどね...
患者さんの入れ替わりのたびに、
消毒薬含浸ワイプで拭いてるんだけどな(汗)
前述の記事からすると、
袖まくりも誤差が大きいらしいんで、
患者さんには袖口の緩い
半袖を着てきてもらうのがベストなんだろうな...
寒いっ!って文句言われそう(汗)
他にも、マンシェットが緩かったり、
動脈のポイントからズレていたり、
腕を曲げてたり捻っていたり、
腕の太さに合わないサイズのマンシェットを使ってたり、
減圧が速すぎたり(手動の場合)等々...
今一度、基本に立ち返って見なおしてみましょう(笑)
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