新しい血液浄化療法!?

2015年3月25日水曜日

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敗血症に新治療法 即効性で威力 県立がんセンターが特許申請

神奈川新聞より

県立がんセンター(横浜市旭区)は24日、死亡率が高い「敗血症」の新たな治療法を発見したと発表した。症状を悪化させる血中のタンパク質(TNF)を特定し、体外の浄化装置で取り除く。治療効果の劇的な向上が期待できる世界初の発見で、すでに特許を申請。動物試験を経て有効性や安全性を確認し、2017年をめどに臨床試験を始める。

細菌などに感染し、全身の臓器が変調を来す敗血症の治療は、細菌そのものを殺す抗生物質の投与や血液成分の浄化などが主流だったが、即効性が乏しかった。新たな治療法が確立されれば、治療時間の短縮が期待できそうだ。

がんセンターは、血中にある別のタンパク質「インテレクチン」が特定の物質に吸着しやすいことを発見した。TNFに結び付く医薬品にインテレクチンを結合させ、患者に投与。特定の物質を使った浄化装置に血液を通すことで、医薬品と結びついたTNFだけを体外に排出できるという。
敗血症は、身近な感染症から、全身に炎症が起きる病気。高齢者や手術直後、がんや白血病などで免疫力が低下した患者がかかりやすく、細菌が増えてTNFが全身を巡ると体内の免疫機能が暴走、ショック症状を起こしやすくなる。重症化すると死亡率が40%に達するという報告もあり、心筋梗塞や脳卒中よりも死亡率が高いとされている。

◆「切り札」に期待 中皮腫研究で成果生む

県立がんセンター(横浜市旭区)が発見した「敗血症」の新たな治療法は、造船業や建設業などで使われてきたアスベストが主因となるがん「中皮腫」の研究から生まれた。工業地帯を抱え、中皮腫患者が多い土地柄を生かした研究を発展させ、県立の研究拠点での“最大級の発見”が生み出された。医療現場では「死亡率が高い病気と闘う人を助ける切り札」としての期待がかかる。

「研究施設で長年、臨床応用可能な研究を続けてきた成果だ」。がんセンターで24日に行われた発表会見。赤池信総長は、最先端の研究の積み重ねが画期的な発見につながった点を強調した。

新たな治療法の鍵となるタンパク質「インテレクチン」は、がんセンター臨床研究所の辻祥太郎主任研究員が2001年に発見、中皮腫診断の試薬として実用化されている。中皮腫の主因となるアスベストは、船の断熱材などに多く使わていたため、造船業がさかんな県内で多くの症例が確認されていた。

辻主任研究員がインテレクチンが特定の物質だけに結合しやすい特徴を発見し、昨年敗血症への応用研究がスタート。すでに試験管を使った実験で効果が確認されている。

インテレクチンは人体への安全性が高く、血液浄化装置も従来の装置を応用することができるため、早期の実用化が期待できるという。

また、敗血症の症状を悪化させるタンパク質(TNF)が影響する関節リウマチや高齢者の肺炎、やけど患者の治療にも応用できるとみている。

がんセンター臨床研究所の今井浩三所長は「研究所では年に1回程度特許が申請されてきたが、最大級の発見。がん治療では手術は成功しても敗血症で亡くなる方が少なくない。研究を進めて、新たな治療法として確立したい」と話している。

敗血症に対する血液浄化療法の保険適応は
現状では、PMX-DHPによるエンドトキシン吸着のみ

TNFなどのサイトカイン除去目的ならDFPP、PE、
または、CRRT(HVHF:high-volume HF)なんかでも
除去できるとかできないとか...

TNFが効果的に除去されるということであれば、
上述の敗血症、関節リウマチの他に
TENや乾癬にも使えるかもね

高い効果と早期の保険適用に期待ですな