透析の経営は困窮している

2012年2月7日火曜日

お仕事 時事ネタ

オレがこの業界(透析)に足を踏み入れてからおよそ24年
当時は、透析の診療報酬は完全出来高払い
薬価や材料費も現在とは比較にならないくらい高額で、
患者一人あたり100万円/月以上はあたりまえ
透析施設を開設して1〜2年でもう一軒建てれるとまで言われておりました
オレの給料もその当時が一番良かったかもしれません (¥_¥)v

そんな羽振りが良すぎたため、
目を付けられてしまったんでしょうね...
診療報酬改定の度にどんどん下げられ続け、
収益は当時の1/3程度となりました
逆に治療の質は上がり生命予後が良好になった反面、
患者からの要望は増え続け、
配置人員数(人件費)との狭間で
葛藤している施設も少なくないのではないでしょうか

そんな透析施設の経営が困窮してきている中、
最近の機器購入に関する傾向の調査結果が出ておりました


透析装置の購入、現場の意見より価格を重視

CBnewsより
人工透析に関する装置を購入する際に、「性能」や「現場のスタッフの意見」より、「価格」を重視する医療機関が多いとの調査結果を、矢野経済研究所が6日発表した。

同研究所では、国内の透析施設から145施設を抽出し、2011年10月から12月にかけて調査を行った、
調査結果によると、透析関連装置5品目(逆浸透装置、粉末剤溶解装置、多人数用透析液供給装置、個人用透析装置、透析用監視装置)導入後の経過期間は、いずれの装置でも「7年以上」が最も多く、使用期間の長期化傾向が示唆された。

一方、装置を購入する際に重視していること(複数回答)は、「コストメリット(価格が安い)」の76.6%が最多で、「性能」(64.1%)や「現場スタッフの意見」(49.7%)を上回った。以下は、「他院での採用実績」(20.0%)、「学会などでの評価」(15.9%)、「営業マンの対応」(13.1%)などの順だった。

同研究所では、装置導入から7年以上が経過している医療機関が多く、今後に買い替えが進む可能性があると指摘。しかし、性能や現場の意見よりもコストを重視する施設が多いことから、「医療機器の買い替えや新規導入などの設備投資が難しい状況になることも考えられる」としている。
診療報酬も下げられ続けたおかげで収益は減り
以前のように、余裕のある経営ができている施設は皆無ではないでしょうか
内情の知らない部外者が、
未だに雑誌やWebなどで「透析は儲けすぎている!」と
批判している記事を見ると腹立たしく思われます

装置の価格は、似たような仕様であったとしても、
各社の営業努力にもよりますが、日機装 > 東レ > ニプロの順に高い印象です
北海道では東レが営業頑張っているように思われます

シェアは現状では日機装がトップでしょうが、
記事にあるように、現場スタッフの意見を無視した経営陣が
今後は価格だけで選択するのであれば、
シェアが入れ替わることも十分考えられるかもしれませんね

当院は装置購入から7年経過しましたが、
更新の話どころか、オーバーホールの予算すらシビアで、
予定より1〜2年遅れは当たり前となっております
部品を単品で注文し、ちょっとずつ交換して何とか繋いでおりますが...