診療報酬改定の骨子

2012年1月17日火曜日

お仕事 時事ネタ

診療報酬改定が迫ってまいりました
中医協での議論も活発化しているようで、
具体的な事項が明らかになりつつあります

平成 24 年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(現時点での骨子)

気になった項目をいくつか挙げてみました

○入院中の患者が他の医療機関を受診する場合の診療報酬の算定方法について、精神病床、結核病床、有床診療所に入院中の者が、透析や共同利用をすすめている検査を行うために他医療機関を受診する場合の評価の見直しを行う。

入院中の患者さんが他医療機関へ受診したら
一般病棟で30%も減額されていたんですね
(療養病床では包括項目が合致したら70%減額)

それにしても、入院しながら
透析だけ他院に通院している患者さんもいるんですね...


○院内感染の防止策について、感染防止対策チームの評価を医療安全対策加算とは別の評価体系に改める。また、感染防止対策チームを持つ医療機関と300 床未満の医療機関との連携、及び感染防止対策チームを持つ医療機関同士が相互に感染防止対策に関する評価を行った場合や、連携して院内感染対策に当たった場合の評価を行う。

これは300床以上の病院で評価するということかな?
病院同士で評価を行うとは具体的に何をするんだろう?
とにかく院内感染対策が評価されるというのは歓迎ですね


○医療機器の保守管理について、薬事法や医療法上の取扱いを踏まえ、まずは、高い機能を有する CT 及び MRI の画像診断装置における診療報酬を請求するための施設基準について見直しを行う

保守管理の実施が評価されるのでしょうか?
他の医療機器にも拡大して欲しいですね


○一般病棟おける長期療養患者の評価について、適正化の観点から、一般病棟入院基本料(13 対1、15 対1)算定の病棟に限り、特定除外制度の見直しを行い、①又は②の評価とする。
① 90日を超えて入院する患者を対象として、療養病棟と同等の報酬体系(医療区分及び ADL 区分を用いた包括評価)とする。
② 90日を超えて入院する患者を対象として、出来高算定とするが、平均在院日数の計算対象とする。
上記の二つの取扱いについては、病棟単位で、医療機関が選択できるよう
にする。

長期入院しても減額されない特定除外項目について
13対1および15対1入院基本料で事実上の減額ですね
維持透析やCBP、人工呼吸器装着の患者さんも対象です

この見直し案は、
今後、他の入院基本料にも拡大することが懸念されますね

僻地などの医療過疎地では、
10対1以上を算定できる所なんて稀
今後、重症で高度医療が必要であっても
長期療養患者は受け入れられなくなるかもしれません
結局、医療(患者)は都市部へ集中し、
僻地医療は更なる衰退を招くことになるかも...


○人工腎臓について、包括されている医薬品の実勢価格やエリスロポエチン製剤等の使用実態を踏まえた点数の見直しを行うとともに、慢性維持透析の合併症等に対して、有効性が明らかになりつつある新しい血液透析濾過についての評価の新設等を行う。

恐らくon-line HDFのことでしょう

前回の改定で新設された(認められた)のは良いのですが、
off-line(bottle)HDF同様の出来高算定で期待したのですが
実際には補充(希釈)用の透析液が別に算定できない分
サブラッド等が算定できるbottle-HDFよりも低く
更に包括払いの通常HDよりも低い請求額という結果に...

これには異を唱えた方は少なくなかったのではないでしょうか
某ダイアライザメーカーさん曰く、
次回改定ではon-lineとbottleは別項目になり、
on-line HDFの評価が上がるのではないか?と予測しておりました


チーム医療加算の話も出ていませんでしたし
目玉になるようなものはなさそうです(これから出るのかな?)
特に透析に関しては、
過去の例からすると、全体では減額となることでしょう
臨床工学技士の評価が上がるようなものが
一つでもできるといいのですが...