透析用水・透析液配管再考

2018年6月29日金曜日

お仕事

透析液やRO水などの配管って、
いろんな材質のものがあるよね

日機装さんから頂いた資料に
オレがWebで調べて付け加えたものを
一覧にしてみた(笑)
主な特徴も書き出してみた(笑)

SB(シリコンブレード)ホース
原水〜RO〜透析液の各ラインで
結構、あちこちで使われているよね

接続には継手が必要

耐圧のため糸補強(ブレード構造)されてる

耐薬品性、耐熱性に優れ、
折れにも強い抜群の柔軟性が特徴...とあるけど、
長期間、薬液(酸・アルカリ)に晒されることで、
変色や劣化があって、
いきなり漏水することがある(汗)

最近はSBホースとは異なる補強構造で
耐圧力性能を高めているものも出ている
(TSBホース)
うちでも以前、
透析液クリーン化システム(モルセップ)で、
劣化(ピンホール)からいきなり漏水して、
これに変更したっけ(汗)

つい先日、(Dドライ)溶解装置の
給水配管でも、ホースバンドのあたりで
変色・劣化 → 漏水が起きたんで
供給装置も含め、全てのSBをTSBへの変更を検討中(苦笑)

KCホース
三島外科胃腸クリニックWebページより拝借(苦笑)
内面が平滑性に優れたテフロン系で、
溶出耐性に優れる

外面を軟質塩ビ材(補強糸付き)で補強
保温材で覆われている

SBホースより劣るが、
ある程度の曲げに対応しているので、
比較的取り廻ししやすい

接続には継手が必要

テフロンチューブ(PTFE)
うちではRO水や透析液のメイン配管(母管)に使用!
内面平滑性と非粘着性に優れ、
流体の固着がない

耐薬品性、耐腐食性、耐熱性に優れると、
メーカーは謳っているが、
日機装はこの配管での
クエン酸熱水消毒をオススメしていない(?)

多少曲がる程度(ゆるやかに湾曲した状態で販売)

接続には専用継手が必要
一般的に配管は、ヘッダを使って分岐

旧施設(ニプロ)では、
供給装置からベッドサイドまで距離があったんで、
ヘッダ〜ベッドサイド患者監視装置の直前まで
テフロン配管にして、継手を介して
シリコンチューブに繋ぎ変えていたっけ
現施設では、
ベッドサイド(カウンター内)まで
テフロンチューブの母管を延ばし、
カウンター内にヘッダを設置
そこからシリコンチューブで
患者監視装置に接続している

PVDF(ポリフッ化ビニリデン
内面平滑性に極めて優れ、
溶出耐性はFDAに適合

耐熱性、耐薬品性に優れるが、
テフロンよりは劣るらしい...

機械的強度は
他のフッ素樹脂(テフロンや後述のPFA)より優れる

接続には継手を使用せず、
特殊工法により熱溶着するため、
接続部の無段差化=流路の停滞部をなくしたため、
バイオフィルムができにくい

継手を使うと、どうしても段差できるからね(汗)

曲げは不可で、
予め成形したものを使用
RO装置や供給装置内部の一部配管に使用されている

PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)
PVDFと同様に
内面平滑性に極めて優れ、
溶出耐性はFDAに適合

耐熱性、耐薬品性、非粘着性はテフロンと同等

曲げは不可で、
予め成形したものを使用

接続はPVDFのような熱溶着と
段差を極力抑えたフィッティング類を使用する方法がある

価格(工賃込み)は、
PVDF >>> PFA(熱溶着しない) > KCホース > テフロン >> TSB > SB
ってことらしい(苦笑)

費用対効果ではフィッティングでのPFAが一番かもな

配管って、こんな↓にも
いろんなところで、いろんなものを使うんだから、
日常的な管理も当然のことながら、
後々、後悔しないよう、
設置前の選定の際に、
もっと気を使うべきだったな(苦笑)
RO装置裏
溶解装置・供給装置の裏
原水〜ROモジュール前
ROモジュール後
溶解装置内
供給装置内
ETシステム内