透析施設における標準的な透析操作と感染予防に関するガイドライン(四訂版)

2014年12月18日木曜日

お仕事

透析医療における標準的な透析操作と院内感染予防に関するマニュアル(三訂版)
が発行されてから6年が経過

近年の感染対策の現状に見合わない内容も
散見され始めていたが、
いよいよ改訂版を出すようで、
パブリックコメントを募集されとった

原案はこちら↓
透析施設における標準的な透析操作と感染予防に関するガイドライン(四訂版)
あれ?
「マニュアル」じゃなく「ガイドライン」になっているね...
格上げされたのかな?(笑)

推奨度と、エビデンスレベルが明記されてるね

全部書き出したらキリがないんで、
気になった項目だけ抜粋(順不同)

手指衛生などスンダードプリコーションについては、
しつこいくらい記載があるね
当たり前のことが出来ていないスタッフもいるからな(苦笑)

穿刺・返血などの処置の際の防護
(ディスポのマスク、エプロン、ゴーグル、手袋などの着用)に関して
エビデンスレベルが「C」と表記されているが、
第2章-Ⅲ 標準予防策では「A」となっている...
統一した方が良いのでは?

手袋を使い回ししてるとこって、未だにあるのかな?
「一手技、一手洗い、一手袋」...大前提の基本中の基本ですよね〜

感染症を疑われるスタッフや患者さんの来院対応は、
よ〜く検討すべき
いきなり来院(出勤)されてもね...(汗)

穿刺前のシャント部の石鹸・流水による洗浄
汚れを落としてもらわんと消毒効果が薄れるので、
やってほしいんだけど、
なんぼ指導しても守ってくれない患者さん、少なくないよね(汗)

患者さんにマスクを着用してもらうって効果的
以前勤めていた職場で、
透析中の患者さん&スタッフ全員にマスク着用を義務付けたら、
前年より発熱を伴う感染症疑いが激減してたことがあったな...(笑)
(きちんとデータはとってないんだけど、 
 傷病名や投薬状況、透析前の測定体温を比べてみると明らかだった)

患者さんへの感染予防策の指導も明記されてるね

透析液の濃度測定についても書かれている
電解質測定装置、血液ガス分析装置、
pH計、電導度計、浸透圧測定装置など複数の装置を用いて測定
...当たり前だよね

電解質測定装置、血液ガス分析装置は透析液モード付きとあるが、
当てにならないとか...
これについては別の団体がガイドラインを策定中らしい

前々から言われていることだけど、
トランスデューサー保護フィルタ付き血液回路と
プレフィルドシリンジ製剤の使用は強く勧められている

注射薬の吸引(調剤)作業は、
血液汚染のない別区画で...ベッドサイドで行ったらダメですよ〜

穿刺針(内針)のリキャップ禁止は当然のことだけど、
安全装置付穿刺針の使用は
推奨度LEVEL2(望ましい)止まりたね...
ここは強く推奨してほしいところ

面白いと思ったのが、
返血操作をスタッフ1人で行う条件...
全自動装置使用か、
生食返血と操作パネル操作の終了後に
A・Vの抜針を行うなどの工夫を行っていること...とあった

うちは後者+返血補助機能を使って行っているからOK?

VA用留置カテーテルの刺入部の管理は、
消毒後にドレッシングで密閉のみ記載があるね...
洗浄法は一般的ではないのかな?(苦笑)

「排泄物は汚染物流しやトイレに廃棄(LEVEL3-C)」とあるが、
患者さんかスタッフが使用するトイレはマズイでしょ(汗)

第2章-Ⅴ 感染経路別予防策は、よ〜く読んでおいた方が良さげ

第3章-Ⅰ バスキュラーアクセスの消毒でも書かれているように、
CDCのガイドラインでは、
0.5%を超えるクロルヘキシジンアルコール製剤を推奨

うちでも実際に使っているけど、消毒効果はもとより
使い勝手もイソジンより格段に良いですよ〜

「リネン類は患者ごとに交換することが望ましい(LVEL2-B)」とあるが、
「頻繁な交換は埃を舞い上げる」ともあるね

コスト面を抜きに考えても、毎回交換は難しいよね...
何か良い方法はないものか?

患者さんの入れ替え時の清掃も、
埃が舞い上がらない工夫が必要

第5章ではノロや疥癬の対策も明記されるようになったね

ざっと、こんなとこかな?
パブコメが集まったら、変更があるかもしれませんが、
皆さんも一度目を通されてはみてください