逆止弁付穿刺針と血液回路との相性?

2013年7月31日水曜日

お仕事

逆止弁付穿刺針を使ってみたくなった

前勤務施設では
メディキット製とコヴィディエン製を使い比べ
メディキットの物を採用した経緯があった

これと...
 これね
また、メディキットのもので良いかな...と、思って問い合わせてみると
新商品が出ていたんですね...
1年透析を離れていただけで、浦島太郎状態(苦笑)

早速、サンプルを取り寄せて使ってみた
...が、使用した患者さん全員がV圧上昇!?
普段より軒並み10〜20%は高い...
中には圧上昇が収まらず、
終いには300mmHgを超えてしまい続行不能...
再穿刺となった方もいた

回路など他部材に異常はなし
回路を一時離断して、穿刺針内を生食でフラッシングするも
何の抵抗もなく、血栓の類も出てこず...

ちなみにA側の脱血はまったく異常なしと来ている

原因は何ぞや?

使用を中止しメーカーに問い合わせてみるも即答はなく...
この穿刺針を使用している他施設の方に伺ってみたが、
同様の症状は出ていないと...

後日、メーカーが回答を持って来訪
結果、回路との相性だそうな...?

当院で使用しているニプロ製回路とは相性が悪い!と言い放った
そういえば、問い合わせた施設さんの回路は日機装&東レ製だったな...

アクセス部先端のテーパー角が
ニプロ製は他社製に比べ角度がゆるいようで、
先端がやや太くなっているため
穿刺針に接続の際に奥まで入りにくく
逆止弁のバネを完全に押しこむことができず
弁が中途半端に開いてしまった状態になるそうな
ニプロに問い合わせてみると、逆止弁付穿刺針に限らず
他タイプの穿刺針など
メス型コネクターとの相性が悪いものがあるそうな
何と!自社の穿刺針とも相性が悪いものがあったという

アクセス部先端の部材を制作する際、
テーパー角の許容範囲が決められており
OKとされる基準範囲が広いのかもしれないと...

...と、いうことは今回の原因はロット斑(ムラ)?

当院(現職場)としてはお初の逆止弁付穿刺針であったが
初っ端からこんな事態になってしまったため
院長にとっては印象が最悪であったため
逆止弁付穿刺針そのものの採用は見送ると明言されてしまった(汗)

当院は通常、穿刺針は全てニプロ製品を使用しているので
ニプロにとっては逆に幸いだったかも...

この一件に関して、当院にとってはどうでも良くなったが、
どうするつもりなの?ニプロさん
正式な回答は来るのかな?