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透析施設開設までの道程⑥動線を考える

レイアウト図面を作成する際、
まずは、患者さんや職員の動線を考える必要がある

透析患者さんは易感染性...
インフルエンザやノロウィルスなどの流行期は怖いですよね
インフルエンザに感染した一般の外来患者さんが
ひしめき合っている待合室を通って
透析室に向かうなんて考えたくもありませんよね

免疫能の目安としては...
(高)一般外来受診者 > 外来透析患者 > 一般入院患者 > 入院透析患者(低)
(...だと思う:汗)

インフルエンザなどは一般外来患者が持ち込むことが多く、
流行期には隔離などの予防対策が求められる

また、合併症など多岐に渡った治療を目的とした
入院透析患者さんは免疫能の低下が著しいため、
比較的状態が安定し自立した生活を送っている外来透析患者が
外部より感染源を持ち込むことや、
逆に重症化した入院透析患者自体が感染源となり
他患者へ伝搬することも珍しくない

このように免疫能に差が生じた患者同士の接触は
非常に危険であるため、可能な限り動線を分離し、
透析時は隔離すことが望ましいが、
現実的には透析装置台数などの設備や
スタッフの体制などの施設側の都合により難しいのが現状

<設計の初期段階で検討すべき事項>

① 一般患者と透析患者の動線の分離
  • 透析患者専用玄関
  • 透析患者専用待合室(更衣室、食堂、お手洗)
  • 透析区域への一般患者の立入制限(別棟、壁などで区画を明確にする)
  • 入院患者と外来患者との動線・治療区画の分離
透析を終わった患者さんが
ロビーで寛ぎながら食事をしている所を
見ず知らずの一般の方がジロジロ見ながら通ったり
重症患者さんがゴテゴテと医療機器をいっぱい付けられて
医療スタッフが大騒ぎしながら目前をストレッチャーで搬送される
...なんて嫌ですよね(苦笑)

② エリアの分離
  • 外来透析患者区画(待合室、更衣室、食堂、お手洗)への入院透析患者および一般患者の立入制限
  • 隔離透析室の設置(単床のみならず複数台を可動パーテンションで区切る)~出入口を別途設ける
  • 設備機器による対策(差圧、空気清浄機など)
  • 常時換気設備の設置• 室内圧は透析室を最も高く設定し、外部からの感染源の侵入を抑制する(隔離透析室は感染源となる患者の隔離を行う又は外部への流出を防ぐため陰圧とする)
日本医療福祉設備協議会の
「病院空調設備の設計・管理指針」および
日本透析医学会などの
透析各区画における必要最低限の設備条件が示されている

隔離透析室って1~2室だけ作っても
役に立たないことが多々あるんだよね...
他ベットと切り離されているので
監視が余計大変になることも...

重症感染症を扱わないのであれば
個人的には時間帯や曜日などクールを変えた
隔離策だけで十分であると考えます

③ 患者と医療スタッフの動線および区画の分離
  • トイレや洗面所の共有禁止
  • 職員休憩室と患者区画および治療区画との分離
  • 注射調剤作業区画および衛生材料・薬剤保管庫と患者区画および治療区画との分離
患者さんと職員がスペースを共有するなんて愚の骨頂
しかし、そういう施設があるのも事実...orz

これから開設や改築を考えられる際は
動線や共有スペースの見直しを是非、考えてみてください

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