穿刺針の不具合!?

2012年2月21日火曜日

お仕事

当院ではBH以外の通常穿刺針は逆止弁付留置針の
メディキット社製「ハッピーキャスV」を使用

採用当初は弁の開閉操作に戸惑ったり、
クランピングチューブ付きメディカットカニューラのように、
血液の逆流を目視で確認できなきゃ、
血管への刺入に自信の持てない連中が、
ダラダラと文句をたれるなど波乱含みでしたが
採用して10ヶ月ほど経過し、ようやく熟れてきた感じです

大概、馴れてきたころには何かしら不手際が起こるもの
先日、起きた事例をご紹介...

血液回路接続後、逆止弁を放せずにそのまま脱血を開始
速やかに血液ポンプを止めれば良いものを、
慌てて弁の放操作をしてしまい、
その際に妙な所に負荷をかけてしまったのか、
弁はじている状態にも関わらず、
空気を吸ってしまったという事例が発生

通常は逆止弁をじていれば、
血液どころか空気を吸うことなんてないはず...
脱血を開始すれば回路内に陰圧がかかるはずだが、
この時は、何の抵抗もなくドンドン空気を吸っていた
これが、返血側(V側)だったら、
血液がダダ漏れになっていたであろう...

他にも慌てて弁のをしていたら、
可動部が外れてしまったという事例も...
もちろん外れたら、血液はダダ漏れ
即効で抜針すれば良いものを、
この時は、外れた可動部を無理っくり押し込んだら、
上手いこと正常状態に戻ったそうな

こんなことが数例続いたので、検証してみることに...

まずは、「ハッピーキャスV」の基本操作(下図参照)
①で逆止弁は""、②まで押し込んで""となる
ポピドンヨードで色付けした水溶液を使用してシリンジで送吸引してみた
逆止弁""で脱血または送血した状態
空気を吸うこともなく、漏れることもありません
次に逆止弁を""
正常であれば押すことも引くこともできない
もちろん空気を吸ったり、液が漏れることもない
人為的に可動部に少々無理な力をかけてみてから
再度、逆止弁""で同様に検証してみると...
弁はじているにも関わらず、何の抵抗もなく空気を吸引
(ピンボケでスミマセン)
同様に送液してみると、多少は抵抗があるものの
少し力加えるだけで漏液
さらに力を加えて抉ってみると、簡単に外れてしまいました
実際の透析(体外循環)に使用するには、これではあまりにも危険
スタッフ全員に注意喚起と操作方法の再度指導しなきゃならないな...

念のため、他のロットでも検証してみた
すると何と!開封したての新品にも関わらず...
つまり可動部に余計な力を加えた物でないにも関わらず、
逆止弁がじた状態で空気を吸引&液漏れするものがあった

これはもしかしたら操作ミスではなく不具合・不良品の可能性がある
即効でメーカーに報告
営業マン曰く、未だこのような報告は受けていないと...
本社に持ち帰って検証してもらうことにした

結果がわかり次第、またご報告いたします